第131話
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なっても、常時”鬼の力”を解放した状態で戦うような事はできなかったし、時間が経てば”鬼の力”の状態は解除されたでしょう?あれと同じよ。」
「あ……ッ!」
「ましてやグノーシスを利用した魔人化には”リスク”がある事もヨアヒム・ギュンター自身がその身をもって証明していますから、ヨアヒム・ギュンターのように”追い詰められた状況”でもないのですから、レン皇女殿下がヨアヒム・ギュンターのようなリスクを覚悟で魔人化を解放し続ける事はないかと。」
「えっと……そのヨアヒム・ギュンターという人が魔人化した時は一体どんなリスクがあったんですか……?」
一方エレインの推測に対して反論しないレンの様子を見たアッシュは不敵な笑みを浮かべ、エレインの推測を聞いて戸惑っているマキアスの疑問に答えたセリーヌの話を聞いたアリサは声を上げ、シャロンの話のある部分が気になったトワは訊ねた。
「”至宝”と同等の絶大な”力”を持った”魔人”と化する事と引き換えに正気を失って暴走し、最後は”消滅”……それが”特務支援課”に追い詰められて”グノーシス”を大量に摂取して魔人化したヨアヒム・ギュンターの”末路”だと聞いているわ。」
「”消滅”だと!?」
「ど、どうして僕達の足止めの為にそれ程の危険な力を……」
サラの話を聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中ミュラーは厳しい表情で声を上げ、セドリックは信じられない表情でレンを見つめた。
「幾ら何でも”消滅”はしないわよ。一度にグノーシスを大量に摂取したヨアヒムと長年グノーシスを摂取した事によって得た魔人化の力を得たヨアヒムの魔人化を吸収したレンは”魔人化の前提条件”が違うもの。ま、せいぜい一時的に正気を失って敵味方問わず襲い掛かるくらいよ。―――――とはいっても、そんな優雅の欠片もないレンを誰かに見せるなんて死んでも嫌だから、試すつもりもないけどね。レンはサラお姉さんみたいに後先を考えない”脳筋”じゃないもの♪」
「何でそこであたしを例えに出すのよ!?しかもさり気なくまたあたしの事を”脳筋”ってバカにして……!この場合、例えに出すとしたらリィンでしょうが!?」
呆れた表情で答えた後からかいの表情を浮かべたレンの言葉を聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中サラは顔に青筋を立ててレンを睨んで指摘した。
「それで?まだ続けるつもりなのかしら?」
「レンの”魔人化”に”リスク”がある事を見抜いたからと言って調子に乗っているなんて大間違いよ……と言いたい所だけど、お姉さんの場合、レンよりも適正な相手がいるからそっちに任せるわ―――――という訳で後はお願いね、レーヴェ♪」
「やれやれ、このタイミングで俺任せにするとはレン皇女らしいな。――――
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