ネガーエンド始動
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ふさがる。
だが、即座に剣を振り抜いたブラジラは、三人を一刀のもとに切り伏せる。地面を転がった三人には目もくれず、ブラジラは響へその剣を振り上げた。
「響ちゃん!」
「響!」
「ランサー!」
ハルト、コウスケ、リゲルにも、すでに戦う余力はない。響を守ろうとするが、ブラジラの方が速い。
そして。
「がはッ……!」
ブラジラの手から、剣が零れ落ちる。
その胸から、他の剣が貫かれていた。
「な……に……ッ!?」
響も、そして誰よりもブラジラも。その目を疑った。
そして、その声が、ブラジラの背後より聞こえてきた。
「ムーの誇りを汚す者は……誰であろうと、消す!」
漆黒のボディの、ムー大陸最後の一人。ブライ。
彼が、背後よりブラジラの胸を貫いていたのだった。
「貴様……ッ!」
「先ほどの礼だ。そしてこれは、ラ・ムーを汚した償いだ!」
ブライは剣を引き抜く。そして、ブラジラが彼へ振り向いた時には、すでに彼はそのブライソードを振り上げていた。
「おの……______」
ブラジラの最期の叫びさえも掻き消す、ブライソードの唸り声。
地面からの紫の衝撃波とともに、ブラジラの体は真ん中から切り裂かれた。
「あ……ッがッ!」
全身から火花を散らしながら、ブラジラは倒れる。
「死に損ないが」
その姿を見下ろしながら、ブライは吐き捨てる。
そんな彼を見ながら、響の隣の未来は言葉を紡いだ。
「貴方……無事だったの……?」
「……フン」
ブライは未来を一瞬だけ見て、興味を失ったようにブラジラを見下ろした。
「急所を突いた。貴様はもう、ネガーエンドとやらを完遂することもできない」
「埃くさいムーの生き残り風情が……ッ! この私の計画を邪魔するというのか……ッ!」
「ムーの力を弄んだ代償だ……精々地獄で後悔していろ」
「おのれ……ならば……ッ!」
ブラジラは、おぼつかない足取りでラ・ムーがいた祭壇へ移動する。
そのまま、もはや飛ぶことのできない翼を広げ、ブラジラは叫んだ。
「救星はならずとも、破壊だけは必ず果たす! 地球はムー大陸共々滅ぶがいい!」
両手を大きく伸ばしながらの宣言とともに、ブラジラの体は爆発を引き起こした。
その大きな爆発は、ムー大陸の頂上である祭壇でも、とりわけ大きなものであった。
「……ふん」
ブラジラの最期を看取ったものの中で、最初に言葉を口にしたのはブライだった。彼はソロへ変身解除し、背を向ける。
「ま、待って!」
祭壇から立ち去ろうとするソロへ、響は呼びかける。足を止めた彼へかける言葉を考えて、響は口を動かした。
「あ……ありがとう…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ