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幻の旋律
第三話 十三階段
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ょうね・・私はこの作業現場に長年従事していますが・・昔からなんですよ・・三池港発で毎週金曜日に通過するのですよ・・まあ、有明工業さんも通行を許可しているみたいだから・・まあ、作業に差し支えがなからいいんじゃないですかな・・」
「この河の上流には何がある・・」
「巨大ダムです・・」
「は・・・」
「でもまだ完成していないみたいですよ・・20年もの経過すれば出来るものですがね・・」
「・・・・・・・・」

賢治はその夜、上流に上り、その作業中のダムまでたどり着いた。明らかに一般の人は入れず、薄気味悪い所であった。工事器具は置いてあるが。見るからに、稼働の形跡は全く見られない・・
「あれは、工場か・・」
山奥のはずなのに、製造工場らしい、巨大工場がある・・
賢治は、恐る恐る近寄り工場の中を覗いた。
「これは!なんということだ・・・・・」
賢治は朝方まで徹底的に情報を集めた。

「美香・・証拠を掴んだ!これで佐々木を逮捕できるぜ。後は、警察に任せよう・・・・」
「ええ・・・その方がいいかもね・・」

賢治は県警の木村巡査部長宛に、トラックの経路、上流のダム周辺の地形図、写真、軍事力など正確すぎる情報送った。
「刑事さん頼むぜ。極上の情報だ!またド派手にやってくれハハハハハハ」

「おいおい今度は何だ!死体でも入ってるのか・・」
今度は、段ボールで到着したのだった。木村巡査部長はしばらく眺めた。
今度ばかりは自分一人で情報を集めたとは言えなかったのだ。なぜなら、詳細な山の斜面の測量図まで入っていたからである。その後、県警本部はその地形図を元に麻薬アジト崩壊作戦を立てた。完全武装を相手にするため、県警側は、死者が出ることを覚悟していた。この作戦の隊長に任命された木村巡査部長は、またもや大胆な行動に出た。県警押収品にも物足らず、閉坑された三池炭鉱の廃墟から発掘用の強力なダイナマイトを拾い集めこの作戦に挑み麻薬アジトを破壊してしまった。このとき県警側は死亡者はいなかったが、相手側は多数の死亡者が出たのだった。木村巡査部長はまたのや出世したのだった。また、この麻薬アジトを指揮していた銀竜組組長、佐々木次郎と以下幹部はやがて逮捕されこの組は解散に迫られた。

次の週の金曜日、麻薬輸送に関わった銀竜組組員の協力を得て、大量の麻薬上陸地である三池港では、韓国密輸船の一斉検挙が行われた。護送車、装甲車、パトカー数十台が港に集結していた。パトカーランプがやけに眩しくある男を照らしていた。その周りには数十人の警官らは男に対して沈黙し整列していた。しかし彼は見向きもせず、部下に背を向け港の向こうの有明海を眺めるだけだった。やがて部下である稲又警部補が報告に来た。

「木村警部!検挙終了です・・
キム船長以下、五〇名を検挙し護送準備を終了
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