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幻の旋律
第三話 十三階段
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「そうだ・・」
「この試合、俺が引き継ぐ!」
「何・・どういうことだよ!」
「勝てば3億くれるよな・・そしてその金で、この女を買うぜ・・もちろんいいよな・・」
「何!・・・」
「苑仏さん・・承知してくれますよね・・」
「ああ・・構わんよ・・」
苑仏は、ホッとした顔でうなずいた。
「あなた!何言ってるの!・・誰が見てもこの勝負、負けだわ・・」
「そうだよな美香ハハハハハ負けて3億払えるのか!」
「無理に決まってるだろ・・・だから・・」
賢治は上着から銃を取りだしテーブルの上に置いた。
「これで・・俺の脳みそをぶち抜けばいいだろ・・」
「・・・・・・・」
周囲は沈黙だった。
「あなた!本気なの!やめて!」
「美香・・黙ってろ!
俺の頭脳は超ヘビー級だぜ!3億では安い程だがな・・ハハハハハ
どうだ・・佐々木・・」
「ハハハハハハハ面白すぎるぜ・・皆聞いたか!」
「そして、2度とこの女にちかずくな。皆の前で約束しろ!」
「ああ・・お前の女だからな!約束する・・しかし、勝てばの話だハハハハ・・・」
「そうだな・・・」
「おーい!サングラスの兄ちゃんがとんでもない試合を挑んだぜ!皆集合だ!」
やがて人盛りはさらに多くなり気がつけばカジノ客のほとんどが集まってしまったのだ。

そして、勝負が始まった。周囲は沈黙した。佐々木側のプレイヤーは外国人だった。どうも外国からプロを呼んだみたいだ。賢治は彼に言った。

「なあ・・アメ公!お前はチェスのアメリカ代表なんだろ・・
日本の将棋を舐めるなよ・・
俺は、ガキの頃将棋をしていたが・・
将棋はな・・チェスよりも奥が深いんだぜ・・・
これは、日本が誇る素晴らしい伝統文化なんだよ・・・」

彼は日本語が理解できないらしいが、何だか怒っているようにも見えた。
そして、その一大試合は再び幕を開けた。周囲はこの賢治の言葉に対し鳥肌が立ったという。

「ところで、俺が先手だったよな・・」
彼はゆっくりうなずいた。賢治は笑いながら言った。

「おい・・・佐々木、北斗の拳、知ってるか?」
「ああ・・・知っている。何が言いたい・・」
「ならば、主人公であるケンシシロウの有名なセリフ知ってるか?」
賢治は冷静にチェス盤を眺めながら言った。

「ハハハハこの兄ちゃんユーモア万才だぜ!」
周囲の人々が笑い始めた。

「なあ・・佐々木・・・
お前はもう死んでいる・・・
十三手後にな・・」
「何!・・・」

この言葉の瞬間、周囲の緊張感は極限状態に達した。
「なら、始めるぜ・・・」

一手目はゆっくりと指した。
その後、賢治はもの凄いスピードで駒を動かし始めた。賢治の思考時間は、ほぼに等しく連続で王手をかけたのだ。やがて、十三手目にスペード
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