第三話 十三階段
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んだ。
「おい!佐々木に面会したいのだが・・」
「はい!いらしております・・」
係員は奥の会場に案内した・・
「何だ、あの人盛りは・・」
「はい・・いつのも勝負をしていますね・・・今夜はいつも以上に盛り上がっているようです・・」
中央には一台のチェス盤があり二人の男は勝負していた。おそらく代討ちだ。それを取り囲むように、大勢の人が観戦していた。チェス盤のすぐ隣には長いソフューが横たわっており、あるボスらしき男が座っている。良く見ると隣には何と美香が付き添っているではないか・・その男の煙草に火をつけていた。
「佐々木さん・・お客様が来ております・・」
と言い残し、案内人は去って行った。
「おい、お前は、誰だ・・」
賢治は佐々木の顔を見た瞬間、何故か身ぶるがしてしまい言葉を失ってしまった。無言で立っているのがやっとであった。
「この男が佐々木か・・・」
「この男、金竜組の幹部らしいですよ」
隣にいる幹部が佐々木に言った。その男は、どうも佐々木と特に親しい男のようである。
名前は滝沢馬琴である。彼はこの闇の世界で一流の殺し屋として名が売れている存在であり、佐々木のボデーガードをしている。
試合は一時中断し、賢治は注目を受けた。
「見ない顔だな、俺はこの世界の奴を大抵は知っているつもりだったが・・新人なのか・・」
佐々木は、滝沢に質問した。
「はい・・奴は、凄腕の幹部らしいです・・」
「おお・・そうか・・お前!一体俺に何の用だ・・・」
美香は賢治に気がついていたが、冷静だった。賢治は言った。
「その女を連れに来た・・」
「ハハハハ、この女はな俺の女だぜ・・馬鹿野郎!お前に何が出来るのだ!下らん。試合の邪魔だ!」
賢治は相手にされていなかった。
「とんだ邪魔が入ったな・・では再戦だ!・・・」
佐々木のその一言で再び会場は盛り上がった。
「佐々木さん・・勘弁して下さいよ・・」
大牟田市立病院の苑仏理事が嘆いていた。
「仕方ないだろ勝負だから・・3億頂くぜ!」
会場は盛り上がるはずである。そんな大勝負であるからだ。
局面はどうも圧倒的に佐々木側が有利らしい。苑仏側のプレイヤーは絶望的な表情で長考を始めた。
「ハハハハハもう時間の問題だ・・・」
会場は大興奮で誰もがそう理解していた。
賢治はその局面をじっと考察した。そして、約5分後に思わず笑ってしまった。
やがて、そのプレイーが次の手を打とうとしたその瞬間。
「おい!待て!」
賢治は突然大声で叫んだ。
「何だよ!試合の邪魔をするのか殺すぞ!」
賢治は、園仏側のプレイヤーの肩を叩き、ほほ笑みながら言った。
「おい・・交代だ・・」
そして、賢治が座った。
「何やってんだよ!」
周囲が騒ぎ出した。
「なあ佐々木・・この勝負3億だったよな・・
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