第三話 十三階段
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か・・では・・」
「もしもし俺だ・・」
「何!・・・」
やがて電話を切った。賢治の顔色は変っていた。
「先生、どうしたの・・」
「いや・・今日の授業は終わりだ・・」
そう言い残しそのまま教室を飛び出してしまった。明らかに無断早退である。
「ねえ・・・先生の顔色普通じゃなかったわ・・」
クラスは騒ぎ出した。
「13か・・何だか不吉か数字だわ・・これって、先生の身に何かが起こるの・・」
「先生、大丈夫かな?・・」
賢治は慌てて、金竜組の事務所に入った。
「押す!兄貴!御待ちしていました!」
「おい!美香がさらわれたとはどういうことだ!」
しばらく事務所で緊急会合が開かれた。
「なあ賢治、銀竜組の佐々木は厄介な男だ!俺にも手が負えない所がある。今回はなおさらだ!美香が佐々木を殺そうとしたからな・・銀竜組との付き合いもあるから、慎重に事を進めないと大変なことになるぜ・・血の争いだけは避けたいのだ・・」
組員達も頭を悩ませていた。
「今、何処にいるのですか?」
賢治は質問した。
「おそらく、クラブ無限の闇カジノだ・・」
「闇カジノ・・・」
その闇カジノとは、ヤクザの幹部、財政界の著名人などが出入り出来る会員制の高級カジノクラブである。もちろん表向きは、バーであるため警察もその存在を知らない。そこには、カジノはもちろんの事、最近では花札、マージャン、チェスなどが流行しており、多くの著名人達が直接対戦する事もあるが、ほとんどは代討ち、すなわちその分野のプロのプレイヤーを雇い試合をさせているのだ。とにかくこの勝負はとんでもない額の金が動くらしい。
「そうか上等じゃないか・・組長!俺一人で十分です・・」
賢治はほほ笑みながら言った。
「おい・・お前一人で何ができるのか?
そこに行って、散乱銃でもぶっ放すつもりか?葉山商事を潰したあの警官みたいに・・・
そんな事をしても、いずれお前が消されるだけだぞ・・」
「いいえ・・・そんな低レベルな事は、致しません・・どうか、ご安心を・・
私は勝負をしてきます・・
確か、佐々木はチェス好きでしたよね・・・」
そう言い残し、事務所を出て行った。
「おい賢治、一体何を企んでやがる・・
その前に、あの余裕は何なんだ・・
一体、何の勝負をするんだよ・・そんな大金は持っていないはずだろ・・・・」
クラブ無限についた。警備は厳重である。
「なあ・・・俺はこういう者だ・・」
「地下三階です!御案内致します・・」
そこには、想像もつかない世界が広がっていた。まさしく巨大カジノであった。
天井の高級シャンデリアに照らされ、大勢の人で騒わっていた。一夜で富を手に入れる者もいれば、破産する者もいる。全くとんでもない世界だ。賢治はそんな瞬間を間も当たりにし、思わず息を飲
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