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幻の旋律
第三話 十三階段
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ュースです・・ここ二〇年の間、九州地区には大量の覚せい剤が流れており、それによる中高年生中毒者は、増加するばかりです。福岡県警麻薬捜査本部は、本格捜査に踏み出しておりますが・・それらのルートは未だに発見出来ていません・・」

美香は、大牟田市役所の表側にいた。正面玄関の前には、高級車が路駐車している。

「もうすぐこの階段を下って来るはずだわ・・
あの事件は時効だわ・・でもあんたは、本来死ぬべき人間よ・・
今、あんたは、この十三階段の頂上にいるのよ・・
でもあんたが、この階段を降りて来るのであれば・・
私があなたを葬るまでよ・・・」

美香はやがて、その車の後ろに路駐車した。口には煙草をくわえている。拳銃の中に弾を込めた。
「ガチャ・・」
やがて、正面入り口が開き、佐々木は降り始めた。

「賢治・・ごめんね・・」

美香は、くわえていた煙草を窓から捨て、勢いよく飛び出した。

「佐々木!覚悟しな!・・」
「おい!美香!どういうことだよ!」
「父のカタキよ!」

しかし、車内にいた組員達から簡単に取り抑えられ、その高級車は美香を乗せて走り去った。

4時間目の昼下がりに、賢治は授業をしていた。
「整数という分野は、その昔、天才数学者ガウスによって、数学の女王と呼ばれていた・・
それは、たかが整数といえど美しい性質を持っているからだ!例えば、素数は・・」
賢治は、楽しそうに黒板に数字を書き並べた。
「2、3、5、7、11、と書き並べてみよう・・次の数字はなんだ・・」
「13でしょ?」
「おお!そうだ!13だ!ハハハハハ」
賢治だけだ興奮していた。
「先生・・一人で盛り上がらないでよ・・
やっぱり数学つまらない・・大嫌い・・・」
ある生徒が、その言葉を発してしまった。
賢治はチョークを落とした。

「あ!数学が嫌いだと!・・・
その発言は、この俺の存在を否定してるのと同じだ!
なぜならば俺は、これで食ってるからな!ふざけやがって!」
賢治は怒りだした。

「先生・・違います!勘違いです・・
先生の事は皆、大好きだよ!ねえ・・皆・・」
「はーい!そうです・・ハハハハハ」
「おお・・そうか・・そんなに俺の事好きなのかハハハハ」
賢治は機嫌を取り戻した。どこまでも単純な男である。
「ところで先生、この前みたいな面白い話ないですか?あの話、学校中超有名になってますよ!」
「ないな・・・」
「あ!そういえば、その女性の方から連絡ないのですか・・」
賢治は一瞬動揺したが。
「あるわけないだろ・・・デート商法だぜハハハハハ」
そのとき、電話が鳴った!
「キャー!彼女から連絡が来たわ!」
「ああ・・すまない・・授業中に鳴らしてしまって!」
「出ればいいじゃん!」
「そう
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