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かんない でも、先生はやさしいし、好きだよ」
「孝弘君を好きなんじゃあないの そういえば、彼も受かったの?」
「うん 受かったよ でも、今は先生の方が好きなんだよね」
「まぁ 中学になったら、変わって来るよ」と、僕は、焦ってはいたが、少しうれしい気持ちもあった。
水槽の方を見に行った時
「先生 離れちゃうから、手つないでー」
と、言ってきた。まだ小さな手だ。僕は、女の子と手をつなぐのは、二人目なんだ。でも、僕に妹が居たら、こんな感じなんだろうかと考えていた。
例のサンゴの前にきたら、僕の足が止まった。やっぱり、じっくり見ていたい。
「富美子ちゃん、ずーと、あっちも見てきなさい 僕は、ここで、見ていたいんだ」
「やだ 迷子になるよ 先生のそばに居る」
「でも、色々見たいだろう こんな動かないもん、見ててもつまんないだろう」
「小さなお魚居るからきれいだよ こんな、かわいい子が独りでウロウロしてて、誘拐されたら、どうするのよ」
脅迫され、僕は、サンゴの周りを、苦笑いしながら、観察を続けた。出来れば、水槽の中に入りたいぐらいだ。
「先生 マンボウさんって何でお尻無いの これから生えてくるの」
「いや あれは、逆に尾びれが無くなっていったんだ ふぐの仲間でね 進化していったんだと言われているんだ 他の魚に食べられないように、身体を大きくする為に、尾びれを失くしていったのかもね」
「大変だね お魚さんも・・勉強してるのかな」
ぐるりと巡って、外に出てきて、ウツボの水槽の前に来た時
「何 これ 怖い」って、僕の腕にしがみついてきた。何匹も居たから、余計なんだろう。最後に変なものを見せてしまった。出てきて、彼女はあそこの先っぽに行きたいと、岬を指さした。絢との想い出の場所だ。
まだ、西陽というには 太陽がギラギラしていて、かすんで地平線が遠くに見える。
「うわぁー 広いね 向こうまで、何にも無いよー 私の住んでいる所の近くに、こんなとこがあるなんて・・ あっ 先生 あれって、船だよね すごいね あんなとこ」
「うん 船だ 貨物船かもね」
「そーだよね どこ行くんかなぁー こっちじゃぁないよね 横浜かなぁ 先生 地球って、やっぱり丸いんだね 水平線が まあるく 見えるよ」
「そうだね 丸いんだ 富美子ちゃん 賢いね よく、気づいたね」
「うん でも、ここから見て、こんな風なんだから、地球って、そんなに大きくないんかなぁ」
「それは、僕も解らない」
富美子ちゃんは、喜んでいた。連れてきて、良かった。帰り道、彼女は僕の腕を抱きかかえるようにして
「先生 私、とっても楽しかったわ 今までで初めてかも 良かった、先
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