暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第84話:徐々に壊れていく
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がない事を確認している。
「な、何だよそんな、ジロジロ見たりして? どこか変な所でもあるか?」
「……颯人、体何とも無いよな?」
「は?」
突拍子もない質問。だが颯人は、つい最近も奏から似たような事を聞かれた事を忘れていなかった。
そう、学祭で飲み物を買う為奏から離れて、戻ってきた時奏から矢継ぎ早に問われた。今の状況はその時とよく似ているのだ。
「気分は大丈夫か? 体に違和感とかないか? なぁ颯人――!?」
「落ち着け奏。……一体どうした? 最近なんか変だぞ?」
颯人が奏に訝し気な目を向けていると、奏は颯人から離れ発令所から出ていく。どこか足取りも覚束ない様子でフラフラと歩く奏に、颯人だけでなく弦十郎や了子達も心配そうな目を向けている。
「奏……」
「どうしたんだ、奏の奴?」
「颯人君、ちょっと激しすぎるんじゃないの?」
「うん…………って何の話!?」
「あ〜らやだ! そんな事言わせないでよ、もう!」
「まだだからね? 色々とまだだからね!?」
了子の言葉で、奏の異変に少なからず動揺していた颯人は調子を取り戻した。それに気付いた弦十郎は、彼女の行動に苦笑しつつ颯人に奏の異変に心当たりはないか訊ねた。
「それで、颯人君から見て最近奏に変な所は無かったのか?」
「ん? ん〜、それが俺にもよく分かんないんだよ。学祭の時もなんか様子可笑しかったけど、何があったのか奏自身何にも覚えてないって言うし……」
そこが颯人は不気味だった。誰も知らない所で、何かが大きく動いている。そんな気がしてならない。裏で考えと仕込みを巡らせ、他人を驚かすのは彼の専売特許。それを誰かに取って代わられている様な気がしてとても気持ちが悪い。
言い様の無い不快感が颯人の中で渦巻いていた。
しかしそれは所詮彼一人の都合であり、事態は彼の意思に関係なく動いていく。
「ふむ…………奏の事も確かに心配だが、今の所は静観するしかないか。それはそうとして颯人君、一つ頼みがあるんだがいいか?」
「え〜?……って言いたいところだけど、今は奏に関してはそっとしといた方が良いかもだし……。で、何?」
奏の事が心配では無いなどと言う事は無い。しかし今の奏は下手に突くと壊れてしまいそうな危うさを感じずにはいられなかった。
だからこそ強く問い掛ける事が出来なかった。
必要以上に奏に接する事が憚られたから、今は弦十郎からの話を優先した。してしまった。
それが大きな間違いだったと気付かずに――――
「響君の事なんだが、暫くの間見守ってやってはくれないか?」
「見守るって、そりゃフィーネやジェネシスからって訳じゃなくて?」
「そそ。端的に言えば、響ちゃんが無茶しないように見守ってあげて欲
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