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八条学園騒動記
第六百十七話 地獄の甘さその一

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               地獄の甘さ
 セーラはラメダスとベッキーを連れて休憩時間を利用してそのうえで楽しんでいた。その中でだった。
 アイスクリームの出店でそのアイスを食べて言った。
「美味しいですね」
「はい、連合のアイスは絶品ですが」
「このアイスもですね」
 ラメダスもベッキーも食べつつ応えた。
「美味しいです」
「非常に甘いです」
「そして食べやすい」
「素敵なアイスですね」
「しかも安く手軽に食べられます」
 セーラはこのことも話した。
「まことにです」
「素晴らしいですね」
「連合は他のものもこうして食べられます」
「自由でかつ豊かです」
「そうしたお国柄ならではですね」
「はい、立って食べられますし」
 実際三人共立って食べている、セーラはこのことにも言及した。
「このこともです」
「いいですね」
「そのことも」
「ただ甘さは」
 このことはというと。
「マウリアの甘さの方が」
「凄いですね」
「やはりそこはマウリアですね」
「あの甘さはないですね」
「連合には」
「はい」
 実にとだ、セーラはアイスを食べつつ話した。
「それ自体は」
「あの」
 出店をしているアフリカ系の青い目の少年が言ってきた、第二柔道部の一年生であり実家もアイスの店であるから店員を任されているのだ。
「マウリアの甘さは」
「はい、このアイスよりもです」
「甘いんですか」
「それもかなり」
 セーラはこう答えた。
「そうなのです」
「うちの店のアイス甘いですよ」 
 店員は真顔で答えた。
「それもかなり」
「そうしたアイスを仕入れておられますね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「その甘さは折り紙つきです」
「そうですね、ですが」
「マウリアだとですか」
「同じアイスでも」
 それでもというのだ。
「遥かにです」
「甘いんですか」
「左様です」 
 セーラは店員に笑顔で答えた。
「実際に」
「どんな甘さですか?」
 店員は自分に答えてくれたセーラに問うた。
「それじゃあ」
「実際に召し上がられると」
「わかりました」
「そうです、ですから」
 セーラはさらに言った。
「今お出ししますが」
「そうしてくれますか」
「どうぞ」
 こう言ってだった。
 セーラはコーンの上に乗った丸いバニラを出した、そうしてそのうえで店員に対して笑顔で話した。
「こちらです」
「それがですか」
「マウリアのアイスクリームです」
「また急に出しましたね」
「魔術を使いました」
 あっさりとした返事だった。
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