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幻の旋律
第一話 命題の真偽
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考えられないわ・・」
「まあ聞きな・・」

賢治は、その日、一日7往復のメールのやり取りをし、その週の土曜に会う約束をした。賢治は舞い上がっていた。そんな、やりとりが水曜まで続いた。
その夜、彼は、メールのやりとりをしながら、ある数学の難問を解いていた。
それは、重要な瞬間だった。常識ではありえないことを考えたのだった。
「この問題難しいな・・これは、3次元に拡張して・・」
「うん?・・・・待てよ??いや、俺の気のせいか・・」
「もしかして・・こんな都合の良い話って、存在するのか・・」
彼は、数学を探究しながら、ある仮説を立ててしまった・・・」

「先生・・何言ってるのですか・・」
「意味が分かりません・・」
クラスは冷めきっていた・・・
「だから、今からが重要なんだよ・・すなわち、数学の最中にはずみで、とんでもない事を考えてしまった・・どうだね君たち。この出会いの話を聞いて、何か変だと思わないか?」
「先生まさか・・彼女を疑ってるのですか!ひどい!」
「いや、あまりに出来すぎていてな・・」
「彼女に騙されてるということですか?そんなこと考える必要はないと思います!」
皆は騒ぎ始めた。
「果たして、そうなのか・・でも俺は、いったん思ったことは、気がすむまで追求する性格でね。もうその時は手遅れだったよ。」
賢治は真剣なまなざしになった。
「その女が俺と接触して得をすることがあるとすれば、それは一体何だ?そして俺はある結論を出した。」
「先生それ以上やめて下さい。彼女が可哀そうです。」
「まあまあ、もし仮にだよ、まあ落ち着いて聴いてくれ、俺は確信した!」
クラスは静まりかえった。

「これは・・デート商法だ!」

「は!・・・」
しかし、生徒の約半分は納得しかけている。
「先生!もしそうだと仮定して、でもあくまでも先生の仮説ですよね?それをどう証明というか確認するのですか?彼女に聴くしかないでしょ?」
ある生徒が疑問を投げかけた。
「これはすごい話になってきたわハハハ・・こんなに興奮したの初めてだわ!私達まるで数学をやってるみたい!謎解きだわ・・・」
別の女子生徒が言った。

「そうだな・・今、数学の授業中だから・・それを、このクラスで考えるとするか!」

生徒の口から「証明」という単語が出てきて、賢治は嬉しかった。
その一言が、皆の好奇心をかきたてた。これこそが究極の生徒主体の「考える授業」であろう。今クラスは1つの難問に向け共有しているのだ。その後生徒らからいろんな意見が出たが解けなかった。美香の事を傷つけない為にも本人に聞くことはできない。そんな方法は存在するのか?これは難問であろう。
「そろそろ時間だな・・
実は、俺なりに証明した。証明の手掛かりは一つだけ存在していた。」

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