第二百七話 冬の進軍その二
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「出るぞ、チロルに行く」
「そちらですか」
「チロルですか」
「そちらに入られますか」
「チロルからミュンヘンやニュルンベルグを手に入れてな」
騎士団のそうした都市達をというのだ。
「ハンブルグとかもな、そしてアムステルダムもな」
「手に入れる」
「そうされますか」
「チロルから進まれて」
「そうしてな」
そうして進んでというのだ。
「騎士団領の南と西、人口も産業も多いそこをな」
「手に入れる」
「そうしていきますか」
「まずは」
「そうしますか」
「ああ、相手の一番豊かなところを奪ってな」
そうしてというのだ。
「帝国領にする」
「それがですね」
「我が帝国の戦略でしたね」
「戦ではまずそうする」
「そのことが」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「俺は主力を率いてな」
「そうしてですか」
「チロルからミュンヘンやニュルンベルグを攻め」
「そうしてですか」
「ハンブルグまで至りますか」
「それでフランドルもな」
その地方もというのだ。
「手に入れるな」
「王国との国境でしかも産業が発達しています」
「そちらも掌握されますか」
「そうして騎士団の国力を奪う」
「そうしていきますか」
「ああ、そしてな」
それでとだ、久志はさらに話した。
「騎士団と王国、連合王国の連携もな」
「国境を掌握し」
「そうして連携を断つ」
「そうして騎士団を倒す」
「まずはこの国ですか」
「そうするな、敵は一国に絞る」
一度に多くの国を相手にすることはないというのだ、これもまた久志の基本戦略でありそれを進めていくというのだ。
「そしてな」
「そうしてですね」
「まずは騎士団を倒し」
「あの国をそのまま掌握しますね」
「そしてですね」
「その軍事力もですね」
「そのままな」
優秀なそれをというのだ。
「掌握するな、出来るだけ傷付けないでな」
「それが大事ですね」
「敵の力をそのまま手に入れる」
「それが大事ですね」
「戦においても」
「敵を倒すんじゃない、降すんだよ」
久志は自分の考えをそのまま述べた。
「喧嘩と戦は違うだろ」
「はい、喧嘩は相手を負かします」
「ただそれだけです」
「それ以上の何でもありません」
「所詮は」
「戦は政だからな」
その喧嘩とは違ってというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「戦ならばですね」
「相手を倒すのではない」
「降し餡巣ね」
「だからですね」
「敵もな」
その彼等もというのだ。
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