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レーヴァティン
第二百七話 冬の進軍その一

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                第二百七話  冬の進軍
 十二月も中頃になった時にだった、久志に将軍達が言ってきた。
「全て整いました」
「兵も物資も集結しました」
「防寒も整っています」
「後はです」
「俺が言えばいいな」
 久志は皇帝の玉座から将軍達に笑って応えた。
「後は」
「はい、陛下のお言葉があれば」
「それで、です」
「軍は動きます」
「そうなります」
「そうだな、なら言うな」
 久志は笑ったままこうも言った。
「これから騎士団に宣戦を布告する」
「そうしてですね」
「軍を騎士団領に向かわせますね」
「そうしますね」
「そうする、騎士団領全土を制圧してな」 
 そうしてというのだ。
「続いてな」
「騎士団と結んでいる王国、連合王国ともですね」
「彼等が戦を挑んでくれば」
「その時は」
「戦う、しかしまずは騎士団だ」
 この国だというのだ。
「いいな」
「承知しました」
「それではです」
「兵を騎士団領に侵攻させましょう」
「チロル方面そしてウィーン方面から」
「そうしていきましょう」
「そうする、進軍中略奪暴行は禁じる」
 久志はこの指示も出した。
「そしてそれを破った奴はな」
「極刑ですね」
「銅貨一枚でも盗めば」
「その時はですね」
「そうだ、その分の金は支払ってるんだ」
 給与はというのだ。
「そして飯もな」
「多く用意しています」
「全ての者が満腹出来るまでです」
「そこまであります」
「だからな」 
 それでというのだ。
「略奪暴行はな」
「極刑を以て罰する」
「そうしますね」
「そして捕らえた兵達に対しても」
「捕虜にして後で帝国に入れる」 
 自軍に加えるというのだ。
「だからな」
「はい、彼等もですね」
「害することはしないですね」
「左様ですね」
「そうするからな」
 だからだというのだ。
「いいな」
「はい、彼等にもですね」
「危害を加えない」
「若し危害を加えれば」
「その場合も極刑だ、民も兵もな」
 彼等は全てというのだ。
「そうするぞ、そして街も畑も荒らすな」
「そちらもですね」
「荒らさず進む」
「そうしますね」
「俺は領土や民を手に入れるが壊したり殺しはしないんだ」
 こう言うのだった。
「だからな」
「そうしたことはせず」
「そしてですね」
「進軍を行い」
「戦っていきますね」
「そうする、そして俺もだ」
 久志自身もというのだ。
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