"Synchrogazer"
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「響ちゃん……その……姿は……!?」
祭壇に舞い戻った響の姿に、ウィザードは唖然とした。
これまで見てきた、黄色がメインの響の姿は、今や真っ白な武装を身にまとっていた。マフラーの先端は大きくグレードアップしており、それが広がった際は、もう天使とも見紛う神々しさを放っていた。
響は笑顔で頷く。
「エクスドライブ。私の、最後の切り札、絶唱を力にした姿だよ」
「絶唱?」
「おい、響!」
ビーストが慌てて響へ駆け寄る。
「大丈夫なのか? 今、あれだけの攻撃を受けて……」
「うん、かなりギリギリ。ウッ……」
響が動こうとする前に、彼女の体がふらついた。
「おい、本当に大丈夫なのか?」
「へいき、へっちゃら……」
額に汗をにじませながら、響は答えた。
「響!」
「うわっ!」
安心も束の間、背後から駆けつけてきた未来に、ウィザードは突き飛ばされてしまった。
未来はそのまま響の手を掴んで、何かを叫んでいる。
ウィザードは少し口を噤んで、ラ・ムーへ視線を投げる。
ムー大陸の神、ラ・ムー。および、その頭上で上半身だけを出しているブラジラは、唇を噛みながら響を睨んでいた。
「おのれランサー……どこまでも私の邪魔を……」
「……」
ラ・ムーの前。今まで彼と戦闘をしていたリゲルも、ラ・ムーから視線を離さないままウィザードたちのもとへ戻ってきた。
「ランサー、貴女も無事だったのね」
「なんとかね」
「私は悪いけどさっきから限界なの。そんな隠し玉があったなら、そろそろ変わってもらえないかしら?」
その言葉を示すように、リゲルの体はそれまでとは比にならないほど傷ついていた。バングレイとの戦いで負っていたダメージはさらに大きくなり、全ての武装はもう使い物にならないほど破壊されていた。
「……リゲルちゃん、未来をお願い……」
「ちゃん付けはやめて」
リゲルはそれ以上は何も言うこともなく、未来の腕を掴み、引っ張っていった。
未来はさして何も抵抗することもなく、リゲルに連れていかれていく。ただ、彼女はその間ずっと、名残惜しそうに響を見つめていた。
「さてと」
ウィザードは指輪を入れ替える。そして、ウィザードライバーを操作し、魔法の待機状態にした。
「そろそろ……終わりにしようか」
「ああ。オレも賛成だ」
ビーストもまた、変身に使った指輪を撫でる。
響も頷き、ブラジラへ向き合う。
「これ以上、皆を傷つけさせるあんたを、私は許さない!」
「ぬかせ! 人間ごときに、我が計画を止めることなどできん! やれ! ラ・ムー!」
ラ・ムーの無数のドリル。
それに対し、響は翼となったマフラーを振り回す。
外見
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