艦娘と提督とスイーツと・69
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ながらの沢庵だ。こいつをポリポリ齧りながら甘い甘酒を啜る。甘いのとしょっぱいのの繰り返しで、これまた甘酒が進む進む。間違いなく身体にゃ悪いんだが、これやってるとガキの頃の冬を思い出すんだよなぁ(しみじみ)。
「てぇとくぅ……?」
「ん、どうした……ってホントにどうした!?」
思い出に浸っている隙に、ヒトミがエラい事になっていた。目がとろんとしてるし、顔が明らかに赤い。口がにへらっと半開きの上に身体全体がユラユラと揺れている。
「まさか……酔ってんのか?」
「なに言ってりゅんれひゅかぁ。ヒトミはぁ〜よってまひぇんよぉ」
呂律が回ってない。そして何より、酔っ払いの『酔ってない』程、信用できない発言もない。
『下戸で弱いとは聞いてたが、まさかここまで弱いとは……』
流石に甘酒で酔っ払うのは予想外だ。
「ヒトミ、そろそろ止めとけ」
「や〜でしゅう。ヒトミはもっとのみたいんれしゅ」
マグカップを抱き抱えて、離そうとしないヒトミ。なるべくリクエストには応えてやりたい所だが、状況が状況だ。無理矢理にでも取り返そう。
「ダメだ、飲み過ぎると明日大変だぞ?」
「やぁ〜らぁ〜、もっとのむにょお!」
マグカップを引き剥がそうとするが、さらに抵抗を強めるヒトミ。そんな押し問答をしている所でヒトミがソファに倒れ込む。その拍子に俺が覆い被さる様に倒れ込み、ヒトミの手から零れ落ちたマグカップをキャッチ。間一髪、割れなくて済んだ。
「ふぅ、ギリギリセーフ……」
「提督〜、アネキが帰って来ないんだけど何か知らない?」
しかし、好事魔多しって奴なのか。タイミングの悪い事にヒトミの妹のイヨがやって来た。
「「あ」」
目が合い、一瞬の沈黙。
「提督がアネキを酔い潰して襲ってるううぅぅぅぅぅぅ!」
「ちっがあああああぁぁぁぁぁぁぁう!」
そのシャウトを聞き付けて野次馬が集まり、一気に騒がしくなる執務室。しかしその騒ぎの元凶であるヒトミは俺の下で、スヤスヤと気持ち良さそうに寝ているだけだったーーー……
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