艦娘と提督とスイーツと・69
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なんでも、ヒトミとイヨの艤装には水中聴音器の補音器が標準装備されていて、他の潜水艦娘よりも耳が良いらしい。その索敵性能を鍛える為に長時間潜航した状態で水上・水中の音を聞いて仮想敵の姿を捉える、という内容だった。
「幾ら南方の海とはいえ、深く潜れば水は冷たいからな。無理はすんなよ?」
「いえ、イヨちゃんも私も、早く先輩方に追い付かないと、なので……」
ウチの潜水艦共は色々こき使われてるからなぁ。隠密性を活かしたピケット艦の役割に、毎日の掃海任務。深海鋼の材料となる深海棲艦の艤装集め、etc……そんじょそこらの潜水艦のみで編成された潜水艦隊よりよっぽど忙しい。そのお陰で錬度は高いし、その分対価となる給料もしっかり払ってるんだがな。
『貰っても使えない紙切れもらっても全然嬉しくないでち!』
と涙ながらにゴーヤにキレられたのはいつだったか。そんなブラックを通り越してダークネスな環境で鍛えられたお陰(?)で、かなり後から着任したヒトミとイヨの姉妹とゴーヤ達先任との錬度の差が激しいのはちょっと気になってはいたんだ。
「それでもだ。無理して身体壊された方が損だからな」
「はい……気を付け、ますね?」
「あの、提督……出来たら、おかわりを」
「おぅ、遠慮しねぇでガンガン飲んで良いぞ」
丁度俺の分も無くなったからお代わりを取りに行こうとしてたんだ。給湯室に準備しておいた、甘酒の入った鍋を触る。少しぬるくなってるな、と再びコンロを点火。ゆっくりとかき混ぜつつ温めていく。酒粕と砂糖がたっぷり入ってるからな、かき混ぜつつじゃねぇと焦げちまう。
『あ、そうだ。身体暖めるんなら……』
ちょっと思い付いた事があって、給湯室に備え付けの小さめの冷蔵庫を漁る。
「あったあった、こいつをちょいと入れて……と」
2人分のマグカップに、少量仕込みをしてから甘酒を注ぐ。そしてスプーンで軽く混ぜて持っていく。
「ホラよ、お代わり」
「ありがとう、ございます……」
受け取ったマグカップの飲み口にふぅふぅと息を当てて軽く冷まして、一口。ズズズと啜った途端、ヒトミの頭の上に?マークが浮かぶ。
「提督、これ、さっきと味が……」
「気付いたか?実はな、おろししょうがを少し入れてある」
ウチのおふくろがやってたんだが、甘酒にしょうがを入れて飲むんだ。少々のアルコールとしょうがのお陰で、より一層身体が温まるし何より味に変化が出て美味い。
「さっきより、さっぱりします」
「だろ?これだと何杯もイケちまう」
しかもお茶請けというか、お供に特製の沢庵も準備してある。スーパーなんかで売ってる塩分控え目のやんちゃって沢庵じゃないぞ?ちゃんと糠床で漬けた塩っ辛い昔
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