第六十四話 阿波野君と先輩その二十八
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先輩はともかく阿波野君にはこう言いました。
「絶対にりっぷくしないこと、あとお顔もね」
「顔もですか」
「阿波野君嫌いな人には露骨に表情変えるから」
「僕嫌いな相手は嫌いってはっきり意思表示するんですよ」
「意思表示しなくていいの」
「そうですか?」
「そうよ、トラブルの元だから」
今実際に私も先輩にそんなことされたら嫌だから言っています。
「いいわね」
「そこは気をつけて、ですか」
「そう、というかね」
阿波野君にさらに言いました、携帯の向こうでもそのお顔がわかる気がしました。
「阿波野君の好き嫌いの激しさは異常よ」
「人に対してですね」
「そう、嫌い過ぎだから」
嫌いな人はです。
「全否定でしょ」
「そうじゃない人は肯定ですか」
「全肯定か全否定しかないでしょ」
どう見てもです、このことは。
「そうでしょ」
「否定しないです」
「阿波野君の欠点よ、だから先輩とお話するのを機会に」
「なおすべきですか」
「そう思うし」
このことはいつも言っている通りです。
「だからね、今回はね」
「厳しくですか」
「言うからね、先輩にりっぷくしないことよ」
「僕あの人嫌いですけれど」
「だからその嫌いっていう感情が駄目なのよ」
この癖性分がどうにかならないのかしらと思いつつ阿波野君に言いました。
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