第九話 部活も入ってその四
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「あのチームはね」
「弱くなりましたね、巨人も」
「十年連続最下位でね」
そうしてというのだ。
「勝率二割台だから」
「毎年百敗以上してますね」
「そうなったけれどね」
「それまでは」
「もうやりたい放題でね」
「北朝鮮みたいでしたね」
「あそこは日本の北朝鮮だよ」
巨人こそそうであるというのだ。
「まさにね」
「本当にそうですね」
「今はお金がないことからもそう言われてるけれど」
「そもそもですね」
「あの暴虐の限りがね」
まさにこのことがというのだ。
「北朝鮮そのものだから」
「そう言われていますね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「あのチームはね」
「そうですよね」
「もう栄光の時代なんて来ないよ」
巨人、邪悪の権化であるこのチームにはというのだ。
「これはらもずっとね」
「最下位ですね」
「そうなるよ、そんなチームが主人公の漫画はね」
かつては野球漫画というと巨人ばかりであった、この様な歪み切った風潮が戦後ずっと蔓延ってきたのだ。
「一冊もないよ」
「それはいいことですね」
「巨人は悪だからね」
文字通りのそれであるからだというのだ。
「もうね」
「最初からですね」
「置いていないんだ」
「本当にいいことですね」
「けれど野球漫画はね」
このジャンルの作品はというと。
「結構多いから」
「読んでいいんですね」
「そうしてね」
「そうさせてもらいます」
「サッカー漫画もバスケ漫画もあるし」
そうしたジャンルの作品もというのだ。
「あと自転車のね」
「あの弱虫何とかですね」
「全巻あるよ」
「全巻ですか」
「うん、あるから」
この作品もというのだ。
「だからね」
「その作品もですね」
「読んでね」
「そうさせてもらいます、それじゃあもう時間ですから」
「また放課後ね」
「今日から来ていいですか」
「まだ仮入部の扱いだけれど」
それでもとだ、部長は笑顔で答えた。
「小山さんが来たいならね」
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね」
部長も笑顔で応えた、そうしてだった。
咲は自分のクラスに入った、そうしてクラスメイト達とも野球の話をしたがクラスメイト達も口々に言った。
「ああ、巨人ね」
「弱いわよね」
「それでいてまだ球界の盟主面してね」
「腹立つわよね」
「昔は悪いことばかりしてたし」
「今もだけれど」
「私巨人嫌い」
はっきりとした言葉も出た。
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