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イベリス
第九話 部活も入ってその一

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                第九話  部活も入って
 アルバイトが正式に決まった次の日咲は朝登校するとすぐに漫研の部室に向かった。そして扉をノックすると。
「どうぞ」
「はい」
 咲は扉を開けた、するとそこには宮本がいた。そして咲に言ってきた。
「うちは朝練とかないよ」
「そうなんですね」
「けれど僕は朝もいたりするよ」
「実は今日はいないと思ってたんですが」
「朝はだね」
「文科系の部活って朝練ないですから」
「それが普通だね」
 部長の宮本もこう答えた。
「やっぱり」
「ですから一応お邪魔しても」
「誰もいないと思ってたね」
「そうでした」
「今日はいたんだ」
 部長は笑って答えた。
「そういうことだよ」
「そうなんですね」
「ちょっと読みたい漫画があって」
 それでというのだ。
「読む為にね」
「今朝はおられるんですね」
「そうなんだ、けれど他の部員の人達はいないね」
 部長は咲にこのことも言ってきた。
「そうだね」
「それはどうしてかですね」
「やっぱり朝の部活はないからね」
 だからだというのだ。
「このことはね」
「どうしてもですね」
「あるから」
「漫研も朝はですね」
「何もないよ、あと土日は部活なくて」
「そうなんですね」
「休日もないから」
 それでというのだ。
「そうした日はね」
「自由ですね」
「好きなことしてね」
「実はアルバイトすることになりまして」
 咲は部長にこのことも話した。
「それで平日も二日位は」
「わかったよ、じゃあそういうことでね」
「やっていきます」
 咲は部長に笑顔で答えた。
「そういうことで」
「そういうことでね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「部長さんは部活と掛け持ちでもいいですか」
「構わないよ、僕もアニ研と掛け持ちだしね」
 部長も笑顔で答えた。
「だからね」
「それで、ですか」
「うちの学校部活の掛け持ちも普通だから」
「アルバイトと掛け持ちもですね」
「いいよ、両方やって」
 そうしてというのだ。
「楽しんでね」
「わかりました」
「そういうことでね」
「高校生活をですね」
「楽しんでね、いい部活に入っていいところでアルバイトをして」
「楽しめばいいですね」
「悪い部活に入るなら最初から入らない方がいいからね」
 部長の今の言葉はシビアなものだった。
「だからね」
「ああ、それは」
 咲はそれはと頷いて部長に言った、何時しか咲も部室の席に着いてそのうえで話ををしている。
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