第三百五十四話
[8]前話 [2]次話
第三百五十四話 十年後
華奈子達は先生のお家を後にしてから七人で話した、まずは華奈子が言った。
「十年後って言うけれど」
「物凄い先よね」
赤音が応えた。
「それは」
「もうそこまで先だとね」
「ちょっと考えつかないわね」
「十年後のあたし達って二十歳ね」
今十歳だから華奈子はこう言った。
「そうね」
「そんな先のことなんてね」
赤音はまた言った。
「中学高校を卒業して」
「大学生かお仕事してるから」
そうなっているからだとだ、梨花は言った。
「ちょっとね」
「その時のあたし達なんて」
「どうなってるかしら」
「もう想像も出来ないわ」
美樹もこう言った。
「というか中学に入ることすら」
「そうよね」
「考えつかないから」
今の七人にとってはそうだった。
「だからね」
「そんなね」
「十年先とか」
「ううん、十年とか」
春奈もどうかという顔で言った。
「私達が今十歳よ」
「物凄い長いわよね」
「同じだけ長い歳月のお話なんて」
それこそというのだ。
「想像もつかないわ」
「春奈ちゃんもそうね」
「そんなん言われたら困るわ」
亜美にしては珍しい困った顔だった。
「ほんまな」
「そうよね、そこまで先とか」
「ちょっと以上にな」
「わからないし」
「そこまで先なんて言われたら」
「正直困るわね」
こう言うしかなかった、これは美奈子も同じで。
「もう考えても仕方ないんじゃないかしら」
「物凄い先だから」
「そう、とりあえず今はね」
「お色気のことは考えないことね」
「それがいいんじゃないかしら」
美奈子の考えはこうだった、そうした話をしながら七人はそれぞれの家に帰ったのだった。
第三百五十四話 完
2021・3・25
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ