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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その二
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食事を続ける。その動きはいたってスムーズだ。続いて右手に持ち替える。ぎこちなさは一切無い。

「訓練して右もしっかり使えるようになった。それでも握力は左の方が上だけどな」

 以前、左手を怪我して難儀した経験かららしい。それだけが理由ではないが。

「つまりは両利き、と。何かかっこいいのですよ」

 どーも、と答える。ちなみに菫も両利きだったりする。

「で、だ。さっきの話に戻るが」

「?」

「家事うんぬん、の話。この中でできないのはネリネと麻弓と稟と……樹はできるのか?」

「一応はね」

「というか何でナチュラルに私の名前が入っているのですか!?」

「「できるのか!?」」

 稟と柳哉の合唱。麻弓がどう思われているかがはっきり分かる。

「何でそんなに意外そうなのですか!?」

「仕方ないだろう? 事実できないわけだし」

 樹が追撃する。

「あの、麻弓さん。がんばればきっとできるようになりますよ」

「リンちゃん……」

「あ、でもリンちゃん料理以外はすごく上手だよね」

「うわーん! 皆敵なのですよおおお!」

 ネリネがフォローを入れるがシアの台詞で台無し。

「樹の弁当はやけに可愛らしいな?」

「今日のは一年生だね。あの初々しさが何ともいえないよ」

「……今日のは?」

 柳哉の疑問に樹が答える。

「日替わり弁当、というものがあるだろう?」

 それはそういう意味じゃない。ツッコミたかった柳哉だった。

 
          *     *     *     *     *     *


 帰り道。柳哉は一人考えていた。

(今日はぜんぜん感じなかったが……)

 柳哉自身にもよく分からない“あの感情”。一体何なのだろうか?

(何か条件でもあるのか?)

 思考錯誤を繰り返す。別に気にしなければいいのだろうが、柳哉自身の勘がそれを許さない。この勘、というものもなかなか厄介なもので、根拠というものがまるで無い。それ故に迷信とされたりもする。だが柳哉はそれを軽んじることはしない。それによって助けられたことも多いのだから。

(ただでさえ考えなきゃならない事が多いってのに)

 はあ、とため息をつく。心配事も多い。ただの考えすぎならいいのだが、そうはいかない。そんな気がする。

(ま、今の所は心に留めておくだけにしておくか)

 そう考えると少し気が楽になった。と、携帯電話がメールの着信を知らせる。菫からだ。

『少し遅くなりそうなので夕飯の準備をお願いします。無理なようなら連絡をください』

 簡潔な文面。苦笑しつつ了解、と返信する。

(さて、何にしますかね)

 冷蔵
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