神との対峙
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ちに光が溜まっていく。
「まずい……響ちゃん!」
「響!」
「響ッ!」
「だと……してもおおおおおおお! 我流・超雷電大剣ッ!」
「さあ、再び見せてやろう! ムーの雷を!」
ウィザードたちが止める間もなく、ラ・ムーの光は発射された。
その、大きな光線の前では、雷の剣など、本当に小さく、儚く見えた。
響を含めた祭壇の一角を洗い流すムーの雷。
やがて、響はサンダーベルセルクどころかガングニールそのものを解除し、生身の姿で茫然と立ち尽くしていた。
「響!」
「響……響!」
ビーストと未来が、祭壇より落下しそうになる響の腕を捕まえる。だが、ボロボロに力の抜けた彼女を持ち上げることは、満身創痍のビーストにも難しいようだった。
ウィザードとリゲルも駆けつけようとするが、無数のエランド、そしてなにより、ラ・ムーのマシンガンがそれを阻む。
ラ・ムーの一撃により、体にすでに力が入らない。
ビーストが掴む右手がなければ、すでに響は、この高い祭壇よりムーの地表まで落ちていた。
「おい、響! 悪い、引っ張り上げられねえ! 登ってくれ!」
「響!」
ビーストと未来が響を引っ張り上げようとする。少しずつ、上昇していく体の中、響ははっと表情を変える。
ビーストと未来の頭上に現れる、板のようなもの。その周囲に刻まれる刃から、それがラ・ムーの剣だと察した。
「っ! 危ないッ!」
響は左手で胸のガングニールと、その内側のイグナイトモジュールを同時に起動。赤い光とともにもたらされた運動性能で、空中へジャンプした。
「イグナイトモジュール、抜剣!」
「「響!?」」
ビーストと未来を見下ろしながら、響は笑みを浮かべる。
「はっ!」
響は、二人へ掌底を放つ。圧縮された空気により、二人は大きく投げ飛ばされる。
「響……!?」
ラ・ムーの剣が振り下ろされる直前、響と未来の目があった。
長く語る必要などない。ほほ笑みながら、響はそう感じていた。未来は首を振りながら、涙目で何かを訴えている。
一方、ビースト。これは、彼の令呪が繋げているのだろうか。全く動かない彼の思考が、伝わってきた。「やめろ」「逃げろ」彼がそう語っているのは、果たして響の勘違いだろうか。
「ううん。未来を助けられなかった、私だから。今度は、ちゃんと助けたいんだ」
「やめろ……やめろ! 響!」
「ううん。これで、私の命で、未来を助けられるのなら……例えそれが、偽物でも……未来の命を奪った私にできる、最大の償いなんだ」
「違う! んなこと誰も望んでねえ! 未来だって……それに、お前は今生きている! だったら!」
「……!」
「だから……そんな、
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