神との対峙
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あたかも生き物のように、それは鼓動を続ける。
ラ・ムーは、その深紅の眼差しでウィザード、ビースト、響を見下ろしている。
「行くよ……」
ウィザードの言葉を合図に、三人は走り出す。
しばらくの間、ラ・ムーは何もせずにそれを眺めていた。
そして。
「な、なにあれッ!?」
響が声を尖らせる。
見上げれば、ラ・ムーの両腕がドリルとなっていた。
「なっ!?」
「やれ!」
ブラジラの命令とともに、ドリルが発射される。
ムーの神殿を抉りながら、ドリルはウィザードたちへ迫っていた。
「おいおい、コイツ……防御できねえぞ……!」
尻餅をついたビーストが、抉られた跡を見ながらそう評する。
「避けるのが前提だけど……こんなのを避けながらの攻撃をしないといけないのか……」
「二人とも! 前を見なさい!」
神殿の入り口付近で未来を保護しているリゲルが声を荒げる。
彼女の言葉に従い、前を向けば、ラ・ムーの両腕は、ドリルからマシンガンへと変化していた。
「蜂の巣にしてやろう……!」
ブラジラの声とともに、リボルバーが回転。無数の弾丸が放たれる。
『ディフェンド プリーズ』
「コウスケ! 俺の後ろに!」
「すまねえ!」
ビーストが、障壁を張ったウィザードの背後に回る。
一方、響はその拳だけで銃弾の雨の中へ飛び込んでいく。弾丸一つ一つを回避し、蹴り飛ばし、一気にラ・ムーとの距離を縮めていく。
「響ちゃん!?」
ウィザードが声を上げる。
すでにラ・ムーの目前に躍り出た響は、その右足を高く突き上げていた。
「我流 空槌脚!」
足のパーツを極限まで伸ばしたかかと落とし。それは、ラ・ムーの片腕のリボルバーを反らした上、本体への接近を可能にした。
「うおおおおおおらああああああああああああああああ!」
響は大音声とともに拳を突き出す。背中のブースターにより、彼女はあたかも黄色の流星となり、ラ・ムーの胸元へ激突した。
「やった!?」
「いいえ、ダメよ」
ウィザードの楽観を、リゲルが打ち消した。
「反応に変化がない……あの怪物には、アレ程度では効果がないわ」
「だったら……」
ウィザードは、別の指輪を使おうとするが、それをビーストが制する。
「待て。お前は魔力を温存したほうがいい。ここはオレが!」
『ファルコ ゴー』
オレンジの魔法陣とともに、ハヤブサのマントを纏ったビーストは、ウィザードの頭上を飛行。そのまま、響の隣でダイスサーベルへ指輪を差し込んだ。
『3 ファルコ セイバーストライク』
「うおりゃ!」
三羽のハヤブサが、ラ・ムーの各所を攻撃する。響をリボルバ
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