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僕達は、早い目に戻ってきた。僕は、家庭教師している子供達が、学校の始まる前に、冬休みの宿題を見てやなきゃと思っていたし、特に下の富美子ちゃんは、県下でも有名な私立の中学を受験するというから気になっている。
年末に、訪れた時も、ふたりの成績は確実に上がっており、特に、富美子ちゃんは優秀だ。ご両親からも感謝されたが、その時に受験の話を聞かされていた。僕も、休みの間、ネットとかで試験内容の傾向とかを調べていたが、優秀な子ばかりが集まるし、問題は受験なんてことが、初めてであろう富美子ちゃんが、どう認識してくれるだろうかと考えていた。
「宿題出しなさい 全部できましたか」と、ふたりに言った。
「うん バッチリだよ」と幸一郎君が張り切って言ってきた。
「富美は去年のうちに終わったよ お兄ちゃんなんか、昨日までやっていたよ」
「つげ口するなよー 終わればいいんだよ」
「そうだよ 決められた時間内で終わればいいんだよ 早く、終わったんなら、その空いた時間をどう使うかなんだよ うまく使えば、そこで差をつけられるんだよ 富美子ちゃんはどうしてたかな」
「うーん ずっと遊んでた」
「そうか じゃぁ 1週間程、全然勉強してないんだ それも、あんまり良くない。でも、これから2か月とちょっと、頑張ろう。合格するんだろう?」
「うん 孝弘君も受けるから、一緒に行きたい」
「その孝弘君って、例の男の子? 好きなの?」
「うん だーい好き かっこ良いから」
僕の中で、絢と一瞬重なった。どうしても、合格させてやりたいと思った。僕達は、中学の頃から離れていってしまったから・・。
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