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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
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照り付ける太陽……隣の人の体温すら感じられるのではないかと言うほどの大観衆……そこに集まる人全員の視線が中心にいる少年たちへと注がれている。
「打てぇ!!天王寺!!」
「三連覇を見せてくれ!!」
「抑えろ三浦!!」
「頑張ってぇ!!」
9回裏2アウト満塁、8対11と守備に付いているアイボリーカラーのユニフォームのチームがリードしている。だが、試合のラストシーンだから盛り上がっているのではない。
「みんなすごいね!!瑞姫!!」
「うん……」
隣に座る少女に話しかける水髪のツインテールの少女。声をかけられた黒髪のショートボブの少女は小さくうなずくだけ。彼女の視線はこの中心にいる少年たちに全て注がれているようだ。
マウンドにいる少年が高々と足を振り上げ、勢いよく白球を投じる。左打席に立つ少年はバットを振り抜くと、打球は真後ろのネットへと突き刺さった。
一球ごとに観客たちの緊張感がある声が溢れる。それはフィールドの最も高いところに立つ少年も、それに相対する少年も同じだった。
「すごい……」
思わず声が漏れた。生まれて始めてみる競技なのに、全く退屈を感じることがない。それどころか、どんどんこのスポーツの不思議な魅力に取り付かれていた。
「三浦いいぞ!!」
「あと一人だ!!頑張れ!!」
観客だけではない。一緒に守備に着いている少年たちも懸命に声を出している。それもそのはず、これは甲子園大会決勝戦……それも、どちらが勝っても史上初の偉業が達成される試合。それもあって観客席は満席になっており、全員の声に熱が帯びているのだ。
甲子園初の三連覇か東北勢初の甲子園優勝か……どちらが起きても歴史に残る試合はまさに白熱。両者ともに負けられない戦いに気持ちが昂っているのがわかる。
「くっ!!」
力一杯放たれるストレート。それは待ち構える天王寺の顔面付近に飛んでいき、キャッチャーも懸命に手を伸ばし捕球する。
「うわっ!!」
「危なっ!!」
肝を冷やすようなボール。それは投じた三浦も同じだったようで、体勢を崩した相手に手を振って謝罪する。それを見た天王寺は、なぜか笑っていた。
「楽しそう……」
こんなに緊張する場面なのに、彼はまるで楽しんでいるかのように見える。いや、そうではない。本当に野球を楽しんでいるのだ。それじゃなければ、この場面であんな表情は見せられない。
「打っちゃえ……」
どちらを応援しに来たわけではない。ただ自然とそう願ってしまった。祈るように両手を握り合わせる。
ズバンッ
外角低めに決まる真っ直ぐ。あまりにもいいボールに手を出せない天王寺は思わずため息を漏らす。
1ボール2ストライク。完全に追い込まれた少年だが、それでも目の輝き
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