第四章 ダークサイドオブ嫦娥
最終話 復讐の一区切り
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してきたのだった。
だが、何も母親にやり返す事を目的とはしていなかった。紫の助力により母親との繋がりを断ち切った事により、それは更に無粋となったからである。
ただ、勇美は幻想郷で『より良く生きる』事が母親への復讐となると思ってやってきたのだった。だから、二度に渡る月が関わる異変解決にも精力的に立ち向かいもしたのだ。
「そうね……」
そんな勇美に対して、紫は否定する事なく微笑みを見せながら相槌を打つのだった。それは普段の胡散臭い笑みではなく、まるで包み込むかのような暖かいものである。
紫のその対応に嬉しく思いながら、今彼女が言っておかなければならない事を打ち明けるのだった。
「でも、私の復讐は、ここで一旦一区切りにしようと思うんです」
その言葉に続いて、勇美はこう言った。
「だから、次は私の大切な人の番なんです。紫さん、私の我がままを何度も聞いてもらって申し訳ないです。でも、これが最後なので、どうか……」
その言葉を言う前に、紫は口元に手を当てて『しーっ』の仕草をしたのだった。
「紫さん……?」
「勇美さん、それは心配には及びませんわ。だってもう……」
「?」
紫は一体何を言い出すのだろう。そう勇美が思っていると、背後から彼女の側へと来て声を掛ける者がいたのだった。
「お久しぶりね、お姉ちゃん♪」
「!?」
第四章【MOONDREAMER ダークサイドオブ嫦娥】完
【MOONDREAMER】完結
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