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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
最終話 復讐の一区切り
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同する所であったのだった。
 だが、最後に一つ勇美は嫦娥に言っておかなければならない事があるのだった。
「それにしても……本当に私にそっくりですね……」
 そう、少女となった嫦娥の素顔は、勇美とうり二つであったのである。まるで、ゲームでいう所の『2Pカラー』とでも例えるとしっくり来そうであった。この場合どちらが2Pになるのかは分からないが。
「私も始めて勇美さんの事見た時、内心おや? と思ったよ。勇美さんも驚いたでしょ?」
 当然その感情を抱くものだと嫦娥は思っての事であった。だが、勇美の心境はそうではなかったのだった。
「いえ、そこまで驚きませんでした。……何となく、心の奥底でそんな気がしていましたから……」
「そっかあ……」
 勇美の思わぬ答えにも、嫦娥は寛容な態度でそれを受け止めたのだった。これがどういう因果か気にしても仕方がないと思っての事であった。
「あ、そうだ勇美さん。ちょっとあなたにしたかった事があるんだ」
「何ですか?」
 突然そんな事を言う嫦娥に対して、何だろうと思って首を傾げる勇美。その勇美に対して、嫦娥は懐からスペルカードを取り出したのだった。
「? もう勝負は着いていますよね?」
「うん、分かってるから安心して」
 慌てた様子の勇美に、心配いらないと嫦娥は諭し、そしてスペル宣言をした。
「【然符「移ろわざる者の羽衣」】♪」
 そのスペル宣言のすぐ後であった。突如として、勇美の体は眩く輝く羽衣に包まれたのだった。そして、嫦娥が何故今になってスペルカードを発動したのかが勇美には良く分かったのである。
 何故なら、塔の攻略の後すぐに嫦娥との戦いをこなし、疲れを感じていた勇美の体が休まる感触が感じられたからだ。
 このスペルは、対象となった者の体力や霊力といったエネルギーをニュートラルに戻し、万全の状態へと回復させるものなのだ。ニュートラルにする訳なので、他人の霊力の付加などにより強化状態にあるものまで初期化してしまうのが難点であるが。
「ごめんね勇美さん。塔で戦ってからすぐに私と戦ったのはフェアじゃなかったよね。だから、お詫びになるか分からないけど今使わせてもらったよ」
「嫦娥さん、やっぱりあなたは悪い人にはなれませんね♪」
 嫦娥の根っからの武人気質、そして意外な真の姿が露わになったものの、これからすべき事は変わらないのである。故に依姫はこう言うのだった。
「それでは、これからこの者を幻想郷へと送り届けましょう」

◇ ◇ ◇

 そして、また幻想郷に新たな月の住人が加わる事となったのだ。
 そう簡単には純狐とヘカーティア達の彼女への恨みの感情は消える事はないだろう。
 だが、それも時の流れが洗い流してくれるだろう。二人の恨みの矛先は真っ当なものではない事に加え、幻想郷という純粋な心
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