第四章 ダークサイドオブ嫦娥
最終話 復讐の一区切り
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言葉を聞いたこの場にいる者達全員の時が、一瞬止まったのであった。
そして、時は動き出し……。
「つまり、嫦娥さんは今穿いてないという事ですね!?」
その事実に食らい付いたのは無論というべきか、黒銀勇美その人であった。
「ええ、当然でしょう? 着物にパンツなど、邪道もいい所です」
その質問に対して、嫦娥はさもありなんといった様子で平然と答えたのである。
「ほら、皆さん。着物にはパンツを穿くなんておかしいって事が分かったでしょう?」
「『ほら』じゃありませんよ……」
「全くですね……」
その勇美の屁理屈と言えるような主張に、依姫と鈴仙の良識派は頭を抱えてしまうのだった。
ともあれ、今はその事を話題にしている時ではなかったのだ。本題は先程起きたひびの入る音の正体は何かという事である。
「まあ、この事は置いておこうよ。さっきの音は勇美さんのパンツの音じゃないんだから」
「?」
勇美はその瞬間首を傾げてしまった。嫦娥の口調が何やら変わってしまった事に気付いたのだ。そして、それは次の瞬間起こった。
嫦娥の顔を覆っていた狐の面がまるで機材を使ったかのように真ん中から綺麗に真っ二つに割れてしまったのだった。
どうやら、先の勇美との戦いにより、面が彼女達の攻撃に耐え切れなくなってその役目を果たせなくなったのだと思われる。
それだけなら仮面キャラの素顔を拝めるというお楽しみイベントだと勇美をウキウキさせる要素に過ぎなかったのであるが、事はそれだけではなかったのだった。
何と、仮面が割れると同時に、嫦娥の体が縮んでいってしまったのだった。そして、気付けば勇美位の小柄な少女へと変貌していたのである。
「嫦娥……それは?」
その変貌にかつての友である純狐は思わず聞いてしまったのだった。それに対して、嫦娥はあっけらかんと答える。
「うん、私は蓬莱の薬を飲んだ副作用で、肉体が子供になっちゃったんだよね。でも、仮面を被っている時だけは大人の姿を保てるのだけどって事だね」
それに付け加える形で嫦娥は言う。子供の姿になってしまったから、精神年齢もそれ相応になってしまったのだと。だから、本来の話言葉も子供っぽいのが本来の自分であるのだとも。
「つまり、今まで無理をしていたという事ですね……」
「うん、玉兎達を束ねる身分である以上、威厳を保っておかないといけないと思ってね」
純狐の気を遣う形での問いかけに、嫦娥は頬を掻きながら答えるのだ。やはり、その仕草も子供らしく愛らしいものであった。
「でも嫦娥さん。玉兎の皆さんは純粋だから、威厳とか外面で判断したりはしないと思いますよ」
その結論がこれまで勇美が様々な玉兎達と接して来た事で想い抱く答えなのだ。
「うん、そうかも知れないね♪」
そして勇美のその主張に、嫦娥も賛
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