第四章 ダークサイドオブ嫦娥
最終話 復讐の一区切り
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う所なのである。
例えば、自分の敬愛する依姫は神と心を通わせる事が出来るが為に、心身ともに大きく成長する要因となった。
そして、自分自身も機械を精製、変型させる能力があったからこそ、そこへ依姫の神降ろしの力を借りる事で有力者と渡りあえるようになり、現在に至るのだ。
つまり、彼女達の成長は、自分自身の能力に恵まれたが故の幸運と言えるだろう。
だが、嫦娥はどうだろうか? 神を退けるなどという力を持って生まれてしまったばかりに、それを悪用されて、自分の掛け替えのない親友から大切な物を奪わさせる事に加担させられ、その友との関係にも亀裂が入ってしまったのだから。
だから、勇美には嫦娥の人生が転落に向かった事、この違いは本人の心掛けではなく努力ではなく運によるものだと感じる事が出来るのであった。
故に、嫦娥は守らなければならない存在だと勇美は意気込む所なのだ。
しかし、当然ヘカーティアの怒りの事も考慮しなければならない所なのである。復讐心を抱く者を無視して話を進めようなどとは、エゴもいい所なのだから。
だから、勇美はヘカーティアにこう言うのだった。
「ヘカーティア様、嫦娥さんをどうこうするなら、まず私と勝負して下さい」
勇美はこの瞬間、ありがちな事を言ってしまったかと思ってしまった。しかも、かなり無謀である。
先の月の異変でヘカーティアと純狐のタッグに勝てたのは、サグメの事態を逆点させる能力化にあった事と、鈴仙の助力のお陰であるのだ。故に素の自分の力でヘカーティアに勝とうなどとはつり橋を渡るよりも冒険なのであった。
だが、ここは譲れない所なのである。依姫と共に歩むと決めた時から自分は『悪』に徹すると決心したのだから。今こそ、悪として奮い立たなければならない時であろう。
それでも我ながら後先考えない事をしたなあと勇美は内心後悔するも、最早後には引けないと腹を括るのだった。
そんな彼女にヘカーティアは口を開く。
「馬鹿言え、そもそも嫦娥に対して私の力は退けられるんだぞ。それに、お前と今この場で戦ってなんになる」
「ほっ……」
この瞬間勇美は心底一息ついたのであった。取り敢えずは、一難去ったようで一安心という所である。
後は、嫦娥が幻想郷に送り届けられる所を見届けて……そう勇美が思っていると、少々違和感が彼女を襲ったのである。
それは、ピシリと何かにひびが入る時の音が、どこからともなく奏でられたからであった。
「激しい戦いだったから……私のパンツが破れかけちゃったかなぁ〜♪」
その発言は、勇美にとって軽いボケのつもりであったのである。だが、それにより事態が変な展開に傾くとは誰が思っていただろうか?
「勇美さん。あなた着物だと言うのに、パンツなんて無粋な物を身につけているのですか!?」
その嫦娥の
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