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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第18話 嫦娥と純狐
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 その事により、無二の親友であった純狐とも距離を置き、彼女は孤独の身へと陥っていったのだった。
 だが、それでも彼女は否が応にも純狐とは顔を合わせなければならない状況にあったのである。しかし、純狐と一緒にいても気まずいだけで心が苦しくなるのだった。
 その苦しみから逃れたい。その一心が彼女に道を踏み外させる事となってしまったのだ。
 嫦娥にも、月の姫君の一人である蓬莱山輝夜が蓬莱の薬を飲み、不死の存在となった事で地上へと流刑になった話が耳に入って来たのだった。
 その瞬間、彼女に差してしまったのだ──そうだ、自分も蓬莱人となってしまおう、と。
 そうすれば、自分も地上へと流刑になる事が出来る。そして、純狐とも距離を置く事が出来るだろうと彼女は考えたのだ。
 後は、思い立ったら吉日なのであった。この事は断じて『吉』となるような内容ではなかったのだった。
 彼女は、ものの見事に月の都の中枢に厳重保管されていた蓬莱の薬を見つけ出し、それを飲むに至ったのである。
 勿論、そこへ行く為には強固な結界が敷かれていて、普通の者ならば立ち入る事など出来はしなかったのだ。
 だが、幸いというべきか、不幸というべきか、その結界には『神力』が使用されていたのである。故に、神の力を退ける能力持ちの彼女には、易々と侵入する事など朝飯前なのであった。
 こうして嫦娥は目論見通り蓬莱人となり、罪人の烙印を押される事となった。
 だが、彼女の望み通りの地上への流刑にはならず、月の都の奥底へと幽閉されるに至ったというのが、事のあらましなのであった。
 しかし、それでも彼女は幾分気持ちが晴れる事となっていた。罪人として幽閉されれば、純狐が自分の下へと来るのが容易ではなくなるのだから。
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