第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第17話 月の罪人:後編
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っていた。命蓮寺にも槍の使い手がいたっけ、それも二人も……と。
そう言えばあそこの人達と自分は余り関わった事がないと思い返し、今のような時の為に一度手合わせ願っておくべきかと勇美は考えるのだった。
しかし、そこで勇美は一番肝心な者の事を思い出すのだった。紅魔館の主にして勇みのかけがえのない親友、レミリア・スカーレットの事を忘れてはいけないだろう。
こうして勇美は槍の名手と手合わせした事を想起し、その思いを胸に勇美は目の前の敵の槍捌きへと意識を集中するのだった。
そして、嫦娥の突きの第二波がやってきた。これも勇美は寸での所でかわす。
事なきを得た勇美であったが、やはり彼女は思うのであった。──やはりこの人は手練れの武人だと。
格闘技や武術の知識には疎い勇美であったが、それでもそういう人妖達とこれまで戦ってきたのだ。故に勇美は肌でそれを感じ取る事が出来るのであった。
だから、このまままともに敵の手練れた攻撃に向き合っていてはこちらが疲弊してしまうだろうと。
ならば、自分がすべき事は一つである。それに、彼女には今思う所があるのであった。
そうと決まれば、勇美の次の行動は決まっているのだった。
勇美がそう考えている間にも、敵の槍捌きによる突きが繰り出されてきたのである。その一撃に目を光らせながら勇美は行動に出る。
「【蛇符「雁字搦めのメタルテンタクル」】」
その瞬間、勇美の手には機械の触手が形成され、それが執拗に嫦娥の槍へと巻き付いたのであった。
これは、蛇神『ナーガ』の力を取り込んだマックスの姿だった。
「なっ!?」
驚く嫦娥を尻目に、勇美は触手の力に委ねてその槍を奪い取り、そしてその勢いのまま宙へと放り投げたのであった。
その後は予想通りと言うべきか、嫦娥の手を離れた得物はその形を保てなくなって雲散してしまったのである。
「これで、今回の武器も無効化しましたよ」
「やりますね……」
勇美のその言葉にも、嫦娥はやはり落ち着いた振る舞いの下にそう言うのであった。
そして、勇美はある程度敵の扱う武器の方向性を読み始めていたのである。
まず、最初は超能力である。そして今回のは霊力を具現化した代物。
そして、敵の能力は神を退けるというもの……。
そこから導き出される答えはこうであった。
敵は超能力や霊力といった、神がもたらす自然には存在しないような概念も扱う事が出来るのだろうと。それも、神を退ける能力の一端なのであろうと。
そう分かれば勇美としても対策の立てようがあるというものなのであった。なので勇美は決して油断せずとも、落ち着いて敵の次の出方を見据える心構えなのだ。
そう勇美が思いを馳せている間にも、嫦娥は次の手に出てくるのだった。
そして、彼女は第三のスペル発動へと踏み
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