第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第14話 炎の使者と地獄の変態:前編
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これから戦う者達としての程よい緊張感はあるものの、無駄に張りつめた空気はなくなっていくのだった。
その心地よい雰囲気に便乗する形でヘカーティアはこう切り出すのだった。
「そうだな、これから戦う者同士、名前を知っておかなければならないだろう。改めて……私はヘカーティア・ラピスラズリ、地獄の女神なんてものをやっているよ」
その自己紹介を聞いて玉兎は少し意表を付かれたと思う所であったが、それも悪い気はしないなと思い直して自分もその流儀に乗るのだった。
「この流れだと私も名乗っておいた方がいいのでしょうね。私は『マチ』。しがない玉兎をやっているよ」
こうして玉兎マチは自分も律儀に名乗りをあげたのであった。だが、やはり知っておきたい事があるのでそれをヘカーティアに聞いておく事とするのだった。
「でも、地獄の女神たるあなたがこんな一玉兎の私に丁寧な事ね。どういう風の吹き回しかしら?」
「いやな……さっきも言った通り、弾幕ごっこをやる以上皆同じ土俵に立つ訳だから女神も玉兎も関係ないという訳さ。後付け加えるなら、私の親友がこういうのが好きだから私も倣っておこうってのもあるな」
「あ、例の服装が私に似てるって子?」
「ま、そういう事さ。じゃあ話も済んだようだし、ボチボチ始めるとしますか?」
このヘカーティアの意見にマチは否定する意味合いを感じはしなかったのだ。もうここからは下手なやり取りは野暮だと彼女は意気込むのであった。
◇ ◇ ◇
「じゃあ、行くとしますか。さっきも言った通り、戦うのは三つの体の内、この私『異界』だけだからな」
そう言って『異界』は戦いの場へと威風堂々と踏み込むのだった。
だが、彼女はミニスカートに加えて裸足という破廉恥な格好なのである。故に今の勇ましい立ち振舞いも、その卑猥さを引き立ててしまう要素となってしまっていたのだった。
勿論その事をマチも意識をしてしまう所なのである。
「……あなた、三つの体もそうだけど、その格好もすごく目を引いてしまう所ね……」
「ああ、さっきも言った通り、この格好の方が色々とやりやすくてな……。まあ女神だから融通は利くだろう」
「確かにそうね……あはは」
このヘカーティアの言い分にはマチも乾いた笑い声を出すしかなかったのだった。そして納得せざるを得なかった。
これが人間だったらこうはいかないだろう。主に足を怪我してしまうだろうという危険において。
だが、ヘカーティアは女神なのだ。当然人間とは体の造りはまるっきり違うのである。
故に、彼女のラフすぎるスタイルは人外であるが故に出来てしまう振る舞いと言えるだろう。
「だが、私の格好をとやかく言うが、妖怪のお前も普通に出来るだろう。何せ地上の兎の話だが普通に裸足の子がいるしな」
そこまで言ったヘカーティア
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