第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第14話 炎の使者と地獄の変態:前編
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確かに彼女はエリートであり自分に絶対の自信を持っている。だが、いやそれ故にと言うべきか、彼女は下手なプライドは持たない主義であり、思考を努めてデジタルで合理的に運ぼうとするのが彼女のモットーなのであった。
なので、現実主義的な彼女の導く答えは決まっていたのだった。
「いいわ、赤いの一人で私に挑んだ事、後悔させてあげるわ」
「私とて、玉兎などこの『異界』一人で十分だって事を思い知らせてやるとしよう」
こうして互いに軽口を叩き合いながら、二人はいともすんなりと臨戦態勢へと入っていく。
「おや……?」
だが、ここでヘカーティアは今しがた抱いた疑問を口にするのであった。
「お前さん。ミニの和服とは粋な格好だね。何だか私の親友みたいで親近感が沸くよ」
そう、この玉兎は勇美と同じようにスカート丈の和服に身を包んでいたのであった。
だが、その様相は勇美とは大分かけ離れていたのだった。
まず、その色は目に焼きつかんばかりの赤と橙の中間といった派手なもので、更にはその和服の中にはスパッツを装備してその守りは鉄壁だったのである。それはそれで喜ぶ紳士な方も多いであろうが。
この玉兎の他の構成要素も目を引くものであった。まず彼女の髪の色も自身の和服と同じ色の派手なもので、頭には旅人が好んで身につけるようなデザインの帽子、そして和服の上からマントという奇抜な組み合わせさえしていたのだった。
以上の事から、彼女の様相はどこかゲームの登場人物然とした非常に目立つ仕様となっていたのである。
それも、主役キャラやボスキャラのような強く設定されているかのような風貌である。故にヘカーティアは好奇心をそそられる所なのであった。
「これでも私は玉兎の中でも重役に就いているからね。身だしなみにも気を遣っての事って訳よ。あなたもその辺りを意識したらどうかしら?」
自分の衣装について指摘された玉兎は、当然の流れでヘカーティアの出で立ちへと意識を向け返した。それに対してヘカーティアはこう答える。
「私はこの服装の方が身軽でいいんだけどな。確かに地獄の女神としては、かしこまったローブを身に纏うべきなんだろうけどな……」
「えっ? 女神様……?」
思いもよらない塔攻略者の自身の素性紹介に玉兎は度肝を抜かれてしまったのであった。
だが、当のヘカーティアは実にあっけらかんとした態度でこうのたまうのであった。
「まあ、私が女神だからってそう気構える事もないだろう。弾幕ごっこを始めれば皆平等な立ち位置となるんだからな。それは玉兎であっても女神であっても変わらないさ」
「確かに……そうかも知れないわね」
基本的に現実的な考えをするこの玉兎である。だから、このヘカーティアの主張にもすんなりと同意する所であるのだった。
それにより、両者の間には
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