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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第13話 満月の塔 SIDE:H 後編
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せるような真似はしないのであった。
『分かった分かった。今そっちに行くからな』
「……無論、パンツ穿いてだぞ」
『……ちっ』
 ここに無事『地球』の野望は阻止されたのであった。しょうもないスケールの小さい野望であったが、まあ平和は守られたのである。
 ともあれ、次の瞬間には『地球』は無事に皆の集う前へと舞い戻って来たのだった──無論パンツは穿いた状態で。
「それじゃあ、これで全員集まったな」
「そういう事のようだな」
「じゃあ、先を急ぐとしますか」
 そして三人は口々にそう言うと、『異界』を基盤とした元の一つの姿へと戻っていったのだった。引き続きヘカーティアの塔攻略は継続される事となった。

◇ ◇ ◇

 扉の先も相変わらず水晶の通路は続いていった。だが、明らかに『今まで』とは常軌を逸していたのだった。
 その見た目で分かる変化。それは、今までの通路は透き通った水色であったのに対して、今目の前に繰り広げられているのはエメラルドグリーンとなっていたのだった。
「いよいよダンジョンの奥底に進んだって感じだな」
 その事が視覚情報から分かるこの塔の演出に、ヘカーティアは舌を巻くのだった。
 そんな雰囲気を楽しみながら進むヘカーティアの前に目を引く物が飛び込んで来た。
「これは、スイッチか……?」
 そう、それは紛れもなくいかにも押すと作動するようなスイッチであったのだ。ただし、先程『月』が発見したそれのように宝箱の中に仕込まれていたのではなく、ワープ装置程の大きさの物がこれまた同じく床に組み込まれていたのだった。
 と、なれば後はやる事は決まっているだろう。
「これを踏めばいいのだな?」
 答えはそう言う実にシンプルなものであったのである。ヘカーティアはそれに素直に従う形でその足を踏み込んでスイッチの上に乗るのだった。
 だが、無論彼女は裸足なのである。それでいながらダンジョンの仕掛けに踏み込む様は些か背徳的であったのである。
 まあ、そのようにダンジョン攻略には不釣り合いな艶かしい出で立ちであるものの、要は仕掛けを作動させてしまえばいい訳で。
 スイッチは当然相手が裸足だろうが何だろうがお構い無しなので、何事もなく自分の役割を果たしていくのだった。
 そして、スイッチの起動によりもたらされた結果は、ざっくりと寸断された目の前の道の前に半透明のエネルギー体の足場を形成するというものであった。
「成る程、分かりやすいね」
 仕掛けを起動させれば道は開かれる。それは実にシンプルな展開であったのだ。
 そして、ヘカーティアは迷う事なくその足でエネルギーの足場を踏みしめる。普通の感覚ならそれが足場の役割を果たしているのか訝んで躊躇ってしまうような代物であったが、そこは女神である彼女は瞬時にそれが信頼足りうる足場だ
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