暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第11話 『波』VS『水』?:後編
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
固まり、そして粉々に砕けてしまったのだった。
「いいっ!?」
 またしても驚愕してしまうリュウセン。何事かと彼は目の前に意識を集中し、その種を知る事となる。
「そんな……そこまでの『冷気』を放つ事が出来るなんてね……」
 そう、それが答えだったのだ。鈴仙は溶岩に包まれるや否や、即座に本当に凍り付かせていたのだった。
「【霜符「アイスウェーブ」】ですよ。氷の力は氷精の専売特許なんですけどね……」
 その力を使う事に対して、鈴仙は誇るべきか自嘲するべきか悩む所なのであった。
 そして、これには当然リュウセンは驚きを隠せないのだ。
「鈴仙さん、あなたがそんな氷の力までも使えるなんて思ってもみなかったよ」
 対して、鈴仙はさらりと言葉を返していく。
「あなたの『流れ』全般を操る能力も大概ですよ。だから、私も『波状のもの』全般を扱えても丸く収まるというものでしょう」
 そう、鈴仙はあの瞬間に、強大な冷気の波を放ち、それにより溶岩の流動を一気に凍らせて打ち砕いたという事なのである。
「それで、どうしますか? この勝負」
 その言葉を聞いて、リュウセンはどこか清々しい表情で首を横に振っていた。
「いいえ、さっきのは僕の正真正銘のとっておきでしたから、もう勝負は着いたよ」
 この瞬間、半月の塔での戦いは鈴仙の勝利という形で幕を降ろしたのであった。
「それじゃあ、この塔内にいる他の玉兎達にも撤退命令を出しておくからね」
「そうして貰えると、てっとり早くていいですね。それじゃあね」
 そう言って、一仕事終えた鈴仙は彼と別れて仲間の元に合流する為に帰路に着こうとするのだった。
 そんな彼女をリュウセンは呼び止める。
「あの、鈴仙さん。……最後にいいですか?」
「何ですか?」
 何事だろうかと鈴仙は振り返りながら首を傾げる。それに対してリュウセンは割とどうでもいいかも知れないが、それでも彼にとって気になる事を聞くのだった。
「鈴仙さん、僕との勝負中ずっと冷静でしたよね。僕の能力の事に対しても、僕が男だって事に対しても」
 それを聞いて鈴仙は「ああ」とどこか合点のいく思いとなるのだった。そして、彼に諭すようにその答えを言う。
「それはね、私の友達が色々とぶっ飛んでいるから慣れちゃったってのがありますね。まず依姫様の神降ろしの力を借りて自分の分身に備わせて、本当に『何でもアリ』な戦いをしてしまうし……」
 そこで一旦言葉を区切り、鈴仙はにまあっと張り付くような粘着質な笑みを浮かべてとどめの言葉を放った。
「その子、着物を着てるからって事で、しょっちゅうノーパンになりたがるんですよね。丈はスカートみたいに短いのに。そんなだから私は多少の下ネタでは動じなくなっちゃったんですよね」
「うわあ、それは冗談きついや……」
 この瞬間リュウ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ