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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第11話 『波』VS『水』?:後編
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く、さしずめ『水のように流れる物全てを操る能力』……そういう事でしょう」
「……」
 その指摘を受けて、リュウセンは暫し無言を貫いていたが、やがて観念したかのようにクスクスと笑い始めたのであった。
「参っちゃったなあ……。僕の能力……、敵を欺くためにうまく隠しておいたつもりだったんだけど。どの辺りで気付いていたの?」
「最初からですよ。幻想郷には水を専門に操る河童がいましてね。その彼女とあなたのスペルの性質がどこか違っていたので裏があるのではないかと踏んでいたという訳です」
「成る程〜、比較対象がいたからこそ違和感に気付いていたんだぁ〜」
 その事により自分の能力の秘密を見抜かれる事となったリュウセンであったが、それに対して悔しがる様子はなかったのだった。寧ろ、鈴仙の観察力に対して感心すら覚える所だったのである。
「そういう事です。だから、もうあなたは私を出し抜く事は出来ない訳ですよ」
「これは困ったなあ……」
 そう言うリュウセンであったが、まだ彼にはどこか余裕があるようであった。その理由が今に分かってくるようだ。
「それじゃあ、もう僕は隠し事をする必要がないという事だね?」
「!?」
 その言葉の後に、リュウセンの雰囲気が変わったのである。それを鈴仙は敏感に察知する。
「寧ろ肩の荷が降りた気分だよ。もう僕は水使いのフリをしなくていいから、このスペルを気兼ねなく使う事が出来るんだから♪」
 言いながらリュウセンは懐から新たなスペルカードを取り出し、そして宣言する。
「【流動「ラーヴァストリーム」】……」
 そのスペルの発動してからすぐであった。二人の戦いの場を囲う水が、一気に灼熱により赤橙色に光る溶岩へと変貌したのだから。
 その変化を確認したリュウセンは、それらに呼び掛けるかのように言葉を発したのであった。
「それじゃあ、頼んだよ。敵をやっつけちゃって♪」
 そう言って鈴仙に指を向けたリュウセンに従うかのように、大量の溶岩が橋の上の足場にせり出して来て、彼女を包み込まんばかりに一気に押し寄せてきたのだった。
 これが、水使いと偽る事のないリュウセンが出せる最高最大のスペルだったのである。故に敵を軽々とねじ伏せる程の威力があったのだ。
 そして、敢えなく鈴仙は溶岩の流動に飲まれるのだった。
「よし!」
 この攻撃に敵は抗う事は出来ないだろう。そう思ってリュウセンは掛け声と共に少女の姿をしている事も忘れて雄々しくガッツポーズをしてしまうのだった。
 だが、次の瞬間彼は凍り付く思いをするのだった。
「ダメじゃないですか、女の子を振る舞う以上、そんなはしたない事をしては……」
「!?」
 その声を聞いてリュウセンは息を飲んでしまった。それに続いて、辺りの様子が一気に変化を催したのだ。
 気付けば一気に溶岩が
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