地球救星計画
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の傷跡が刻まれている。だが、それでも彼女の力強い目には、あたかも炎が宿っているようにも見えた。
「そんな世界を、私は認めたくない……分かり合えない、繋がれない……そんな世界……まるで呪いみたいな世界を……!」
「ふん。呪いか。それこそがは、貴様らの繋がりから生まれたもののことではないのか? 繋がりさえなければ、永遠の秩序になるのだから」
ブラジラは冷笑した。
それに対し、響は拳を握る。
「人でなしには分からない……! それが、絆っていう、人間の力だってことが!」
「絆……だと……?」
ブラジラは忌々しそうに毒づいた。
「貴様も、あの見習いどもと同じか……」
ラ・ムーの起動音が大きくなる。
「ならば、その絆とやらも、この地球ごと破壊し尽くしてくれる! さあ、ラ・ムーよ! ネガーエンドの手始めに、あの愚かな参加者共を始末しろ!」
ラ・ムーが、その両手を大きく広げる。無数の黄色の輪が構成する腕は、ラ・ムーが今の生物と全く違う構造なのだと語っているように見えた。
そして何より、ラ・ムーの胸元に刻まれた紋章が、ブライの紋章と全く同じものであり、それが、ラ・ムーこそがムー大陸の象徴であることを雄弁に語っていた。
「リゲル、大丈夫か?」
ハルトはリゲルに問いかける。
しかし、リゲルは首を振った。
「悪いわね……これ以上の戦闘はちょっと難しいわ……」
「そっか……下がってて」
「ウィザード、貴方だって戦える状態じゃないでしょ?」
リゲルの言葉に、ハルトは動きを止めた。
すでに生身での戦いを余儀なくされているハルト。
だが、その解決策は、コウスケが持っていた。
彼はハルトの右腕を掴み、無理矢理指輪を嵌める。
「ほい、ちょっと失礼」
コウスケはそのまま、紫の指輪を自身のビーストドライバーに差し込む。
『ドルフィン ゴー』
イルカの魔法は、治癒能力。
それを媒体として、ハルトの体に魔力が流れ込んでくる。
「コウスケ……お前……」
ハルトは自らの手を見下ろしながら呟いた。全身の疲労もある程度回復しており、魔法を使うことは可能だと体が語っていた。
「悪いな。オレも万全とは言えねえからな。これで、オレたちにあとはねえ」
コウスケはハルトの指からイルカの指輪を回収しながら言った。
ハルトは肩をすぼめる。
「……だろうな。ちなみに、残ってた魔力、どれぐらいあんの?」
「正直体感でしかねえけど……オレとお前、変身できるのは次の一回分が限界だ」
「……」
ハルトは口をあんぐりと開けた。だが、すぐさまにその顔は微笑になる。
「了解した。それじゃあ、今からある意味一連托生ってことで」
ハル
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