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白地に大きな芍薬に蝶々が舞っている絵柄の着物と藤黄色の帯を用意していてくれた。目元と唇もお化粧してくれて、私自身も自分を見違えた。髪の毛もまとめてくれてから、お母さんは、自分も別の着物に着替え始めていた。
「そのネックレスは外しなさい 着物には合わないわよ」と、言われた。
「嫌だぁーこれは 外せない」
「だめよー 下品じゃあない」
「下品でもいいッ 嫌だもん 大切なものだもん」と、私、泣きそうになっていた。それを見かねたのか
「わかったわ じゃぁ 髪飾りに付けてあげる 失くしても知りませんからね 本当に、絢がこんなに思い入れが強いって思わなかったわ」
「うーぅ じゃぁ 手下げ袋に入れておく」
電車も混んでいたけど、降りてからも、お土産屋さんが並んでいる道をぞろぞろと。拝殿の前もすごい人で・・お父さんは、どんどん前に進んでいくけど、私、押されて、お尻辺りも触られているんだか、なんだかわかんなくて。ようやく、お賽銭投げて、お参りして、人ごみから出てきたら、私、はぐれてしまって、迷子になったみたい。お札所の横で、ぼーっとしていたんだろう
「お待たせ ようやく買えたわ」と、お札を持って、お母さんが駆け寄ってきた。
「あっ お母さん ウチ、迷子になったんかと」
「なに 言ってんの 私が、ずーと、あなたの後ろに居たじゃあない」
「えっ そーなん ウチのお尻触った?」
「ええ ほっておくと、絢、前に進まないんだもの、お尻押していたのよ」
帰りに、私「ウチ、モト君ちに、着物見てもらいに行く」と言ったけど
「よしなさい 元旦からよそのおうちに行くもんじゃぁ無いわよ 明日、ちゃんとして行きなさい」と、お母さんに言われて。
その夜は、お兄ちゃんがお肉って言ったから、しゃぶしゃぶ鍋を囲んでいた。お父さん達はデニムの作務衣を着ていた。お兄ちゃんのプレゼントらしい。私は、短ぱんにトレーナーだったけど、お母さんは着替えたけど、又、着物姿だつた。まだ、お風呂にも入っていなかったみたい。
「絢、大学はどうだ?」と、お父さんが聞いてきた。
「うん 楽しいよ 毎日 お友達もいっぱい出来たしね 絵の先生も良い人だし」
「そうか 絢は昔から友達も少なかったから、心配してたけど モトシ君とはどうなんだ」
「仲いいよ 順調」
「紳からも、藤沢さんからも聞いたけど、海を守るために勉強しているんだってな それに真面目な男だって 安心したよ」
「おやじ、こいつ等なら大丈夫だよ 前にも言ったけど、モトシ君は絢のいいところを小さい頃から見ていて、自分もそれが励みになってきたんだと言っていた。夏、店に来てスパゲティ食べに行って話している時、机の下で、ずーと二人で指を結んでいるんだよ。
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