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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第五十七話 フェイト・テスタロッサ
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らタイムスリップしてきたアスカ。目の前の少女は未来の上司。

ここでバカ正直に名前を言って、未来に何か影響がでるのではないかと懸念してしまう。

「?」

一方、握手をしたまま固まってしまった少年を見て、フェイトは首を傾げる。

「ど、どうかしたの?」

動き出す気配のない少年に、フェイトが話しかける。すると、

「……言えません……」

「え?」

「訳あって、オレ、名前を言えないんです」

バツの悪そうに言い、アスカはフェイトの手を離した。

「どういう事だい?」

アスカを良く思ってないアルフが睨みを効かす。

「その……ちょっと訳ありで……名乗れないんです」

『なんで偽名を使うとかできないんですか!』

あまりの素直さにラピがツッコミを入れた。

『だって、ハラオウン隊長に嘘はつきたくないし……思いつかなかったし』

同僚にはよく冗談で嘘をつく事もあるアスカだが、意外と真面目と言うか、尊敬する上司には正直でいたいと思っているフシがある。

だが、その正直さはアルフの警戒心を煽る事になった。

「フェイト、やっぱりやめよう!こいつ、もしかしたら次元犯罪者かもしれないよ!だとしたら、アタシ達まで厄介事に巻き込まれるよ!」

がなり立てるアルフ。

アルフの言い分は至極当然の事である。

名前を言えない人物など、通常の生活でも怪しさしかない。

「それを言ったら、私達も一緒だよ。管理局の目を盗んでロストロギアを集めているんだから」

フェイトにそう言われると、アルフは下がるしかなくなる。

渋々、アルフは自分の意見を引っ込めた。

「でも、あなたをなんて呼べばいいのかな?」

アスカが名乗れないと言っているにも関わらず、フェイトは受け入れるつもりだ。

その器の大きさに、アスカは感心する。

「えーと……そうですねぇ……」

仮の名前を、と考えるが良い名前が出てこない。

元々、その手のセンスがないアスカなのだから、思いつかなくて当然だ。

下手をすれば、キラキラネームが出かねない。

「こんな名無し野郎、どーとでも呼べばいいさ!」

プイッと不貞腐れたようにソッポを向くアルフ。

「あ、じゃあそれでいいです」

「え?それって?」

フェイトが聞き返す。

「名無し野郎だから、ナナシ。オレの事はナナシって呼んでください」

『随分いい加減ですね』

ラピが呆れたように言った。

『適当だからな。それに、あんまり印象に残らないようにしたいんだよ』

何も考えてないように見えて、未来が大きく変わらないように気遣うアスカであった。

フェイトがそれじゃちょっと、と言っていたが、アスカはそれで良
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