第六十四話 阿波野君と先輩その二十六
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「全く違ってくるわよ」
「そうなのね」
「悪いことばかりじゃないから、世の中は」
このことはよく言われるし事実だと思います。
「だからね」
「その人もなのね」
「いいことがあるし」
「おみちにもなのね」
「お引き寄せでね」
それでというのです。
「わからないわよ」
「もう神様のお考えね」
「そう、親神様のね」
そうなるというのです。
「だからわからないわよ」
「私達ではなのね」
「その時に先輩がどう思うかよ」
「長池先輩が」
「若しその人がおみちに戻った時にね」
「先輩だったら」
少なくとも私が知っている先輩ならそうされる、私はそう思ってお母さんに言いました。
「絶対に謝るわ」
「その人によね」
「ええ、そうされると思うわ」
「あらためてね」
「ずっと後悔していて反省してるし」
そのことは明かです。どう見ても。
「それじゃあね」
「そうね、その時はね」
お母さんは私の言葉を聞いて言いました。
「先輩も救われるわ」
「そうよね」
「もう神様は許されてると思うけれど」
親神様は、というのです。
「心から反省しているのなら」
「それなら」
「そう、私達からしてみれば許されないことをしたけれど」
それでもというのです。
「神様はその反省と後悔と行いを見ておられるから」
「助けて下さるのね」
「その先輩の行いは今はいいでしょ」
「私本当に一年の間どれだけ先輩に助けてもらったか」
そのことを思うとです。
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