第八話 速水の訪問その十二
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「その翌日からです」
「来てもいいですか」
「はい」
まさにというのだ。
「そうしてもらいたいです」
「それじゃあ」
「履歴書をお待ちしています、では今日は」
「これで、ですね」
「お暇させてもらいます」
「わかりました」
こう話してだった、そのうえで。
速水は咲の家を後にした、玄関を出ると歩いて帰ったが一家はすぐに履歴書を書いて写真も撮って貼って印鑑も押してだった。
履歴書を封筒に入れてポストに投入した、すると。
ここでだ、父はふと言った。
「速水さん歩いて帰っておられたな」
「そうね」
母も言われて気付いた。
「あの人は」
「それで渋谷からここまですぐか」
「何か不思議ね」
「ワープでもされていたりしてな」
「まさか」
「そうだな、まあその辺りは色々あるんだろうな」
父は笑って言った。
「僕達が気にすることじゃないな」
「そうよね」
「そのことまではな」
「流石にね」
「最初お会いした時から思っていたけれど」
咲は両親の隣で首を傾げさせながら述べた。
「随分ミステリアスな人よね」
「そうだな」
「半分この世の人じゃないみたいよね」
両親もこう答えた。
「凄く整った感じで」
「あんまりにも整い過ぎているしな」
「それに紳士的で」
「あの服装といいな」
「どんな人なのか」
咲は首を傾げさせたまま再び言った。
「気になるわ」
「その人がこれから咲を雇う人になるのよ」
母はその咲に話した。
「そのことはわかってるわね」
「うん、じゃあ履歴書送ったし」
「後は速水さんのところに届いたら」
「そうしたらよね」
「咲はアルバイトもはじめるのよ」
娘に笑顔で話した、そして次の日の夕方早速速水から返事が来た。その返事によって咲はアルバイトもはじめることになった。
第八話 完
2021・3・23
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