第八話 速水の訪問その十一
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「お仕事をしているので」
「占いのお仕事ですか」
「こちらを使うお仕事です」
速水は微笑んだまま咲にタロットカードの一枚を見せて答えた、そのカードは大アルカナの恋人の逆だった。
そのカードを見てだ、速水はこうも言った。
「成程、貴女は」
「貴女は?」
「何でもありません、ただそのお仕事は」
「はい、それはですか」
「タロットを使うお仕事です」
咲にあらためて答えた。
「そうだと申し上げておきます」
「では占いですね」
タロットならとだ、咲はこう解釈した。
「やっぱり」
「まあそれはそういうことで」
「タロットを使うということで」
「はい、それでなのですが」
「時々ですか」
「いなくなります、その時は代理の人がです」
「来られますか」
「出来た人なので」
その人はというのだ。
「どの人も」
「そうなんですか」
「ですからご安心を」
「わかりました、とりあえず時々ですね」
「私はいない時があります」
その占いの店にというのだ。
「そのことはご了承下さい」
「はい」
咲はとりあえず頷いた、多分速水は東京以外の場所から特別に依頼を受けて占いに行くのだと思った。
そのうえでだ、速水に答えた。
「そのことも」
「そういうことで。ではこれから履歴書を書いてもらいますので」
「写真もですね」
「撮ってもらって」
そしてというのだ。
「私に提出してくれますか」
「今からですね」
「書いてくれて」
そしてというのだ。
「私の事務所に送ってくれましたら」
「それで、ですか」
「正式に採用とさせてもらいます」
「そうですか」
「はい、それで宜しいでしょうか」
速水は咲そして彼女の両親に尋ねた。
「その様にして」
「はい、それならです」
「今から書かせますので」
咲の両親がすぐに答えた。
「写真も撮らせますので」
「今日中に書いて」
「そして送らせます」
「暫くお待ち下さい」
「届きましたら」
その履歴書がというのだ。
「すぐに連絡させてもらいます」
「わかりました、そしてですね」
「咲もアルバイトをですね」
「学校の方はもう宜しいですね」
速水はそちらから許可を得ていることを確認した、確認であるがもうわかっているという口調であった。
「そちらは」
「はい、許可を頂きました」
今度は咲が答えた。
「いいと言ってもらって」
「許可証もですね」
「貰いました」
「ならです」
笑顔でだ、速水は咲に応えた。
「後は履歴書を送ってくれましたら」
「それで、ですか」
「来てもらいます」
「四月中にアルバイトがはじまりますね」
「いえ、履歴書さえ頂ければ」
それが届けばというのだ。
「もうです」
「その時点で、
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