第八話 速水の訪問その九
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「ましてトイプードルだから」
「モコと同じ種類だからな」
「余計に腹が立ったわ」
「こんな連中地獄に落ちろ」
「個人情報出さないレベルで拡散したけれど」
「まあこれでこの夫婦の人生終わりね」
「屑に容赦は無用よね」
咲はライン等でも知人達に拡散を希望しつつ言った。
「やっぱり」
「酷い奴がいるものだ」
「ワンちゃんは引き取られたらしいけれどそうした問題じゃないでしょ」
「こんな奴こそ地獄に落ちろ」
「命を粗末にするものじゃないわよ」
「そうよね、命を粗末にする人が子供を育てられるか」
咲もこう言った、
「言うまでもないわよね」
「うちなんかな」
父は怒った声のままさらに言った。
「モコは家族としてだろ」
「ずっと一緒よね」
「そうだ、お前も大事な娘でな」
咲に対して言った。
「モコもだ」
「娘よね」
「大事なな」
「そうよね」
「そう、モコは種類は違うけれどね」
人間と犬の違いはあるがとだ、母も言った。
「ちゃんとね」
「娘よね」
「そう、私達にとってはね」
こう咲に言った。
「大切なよ」
「だから捨てたりとかは」
「考えもしないわ」
「そうよね」
「というかケージはあっても」
「閉じ込めてないわね」
「何時でも出られる様にしてるでしょ」
扉を開けてだ。
「そうしてるでしょ」
「ケージはあくまでお家で」
「檻じゃないのよ」
「まして自分達の子供が生まれたから飼育放棄して捨てるなんてな」
父の口は完全にへの字になっていた、そのうえでの言葉だった。
「言語道断だ」
「どっちも育てろっていうのね」
「そうだ、娘だろ」
それならというのだ。
「最後まで大事にしろ」
「本当にそうね、それでそうしたお話したら」
「ああ、怒ったにしてもな」
「いい気分転換になったわね」
父だけでなく母もだった。
「さっきまで速水さんをお迎えしようって必死だったけれど」
「気持ちが切り替わったな」
「肩凝りが取れた感じよ」
「屑に怒ったにしてもな」
「成敗もしたしね」
飼育放棄する様な連中をというのだ。
「それじゃあね」
「速水さんが来られたら」
「お話しましょう」
「そうしましょう」
娘が中心に言ってだった、今は速水を待った。すると暫くして家のチャイムが鳴ってそうしてだった。
速水が来た、すると両親は彼を迎えてから言った。
「今さっき渋谷を発たれたそうですが」
「お早いですね」
「もう一瞬でしたが」
「どうしてこちらに」
「少しコツがありまして」
速水は驚いている二人にタロットの大アルカナの一つ星のカードを出しつつ話した。
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