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MOONDREAMER:第一章(ノベライズ作品)
第一章 幽々子オブイエスタデイ
最終話 青への萌し
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「『愛宕様の火』!」
 続いて攻撃宣言をした。すると依姫の両手が炎に包まれた。全てを焼き尽くす神の火である。
 だが今回はそれが目的ではなかった。炎に包まれた手から赤い火の弾が射出されたのだ。
「うわっ!」
 慌てる金髪の玉兎。そして火の弾は彼女の眼前まで差し迫っていた。
 だが、彼女は間一髪でそれをかわして見せた。
「では、こちらからも行かせて貰いますよ!」
 依姫はニヤリと口角を上げると、炎の灯った手を茶髪の玉兎目掛けて振り下ろしたのだ。そして発射される赤い弾。
「ひいっ!」
 何とか茶髪の玉兎はそれをかわした。
「まだまだこれからよ!」
 依姫には、文字通り『火がついて』しまっていた。次は眼鏡の玉兎目掛けて火の弾を投げ付けた。
「きゃあ!」
 今度は眼鏡の玉兎に被弾したようだ。
 だが、弾幕での戦いの為に火力は落としてあるので大事には至らなかった。
「それそれそれ!」
 そして依姫は大量の火弾をばら蒔く、ネジの外れた兵器のようになっていた。いささか彼女のキャラクターには合っていない言動であるが、こうして思う存分戦える弾幕勝負を気に入っているが故であった。
 だが、神力を一度に少し使いすぎたようだ。依姫は両手に灯った炎をかき消すと神力の自然回復を待つ事にした。
 そこを玉兎達は逃さなかった。
「一斉射撃するよ!」
 金髪の玉兎が他の二人に合図すると、皆弾かれたように依姫との距離を取った。そして皆一斉に銃剣を依姫に向けたのだ。
「「「発射!」」」
 声の合った掛け声と共に三人から同時に弾丸の雨あられがばら蒔かれた。
 依姫は弾丸の雨に包まれ、何度も着弾音が撒き散らされた。
「やったかな?」
 眼鏡の玉兎が呟く。手応えはあったように思えたからだ。
 そして弾の雨により巻き起こった砂煙が収まっていった。そこには……。
「『祇園様』」
 そう依姫は呟いた。そして彼女の周りには例の刃の壁がそびえ立っていたのだ。
 祇園様の力はこうして防御にも使えるのであった。
 そして彼女の傍らで地に刺さっている刀を抜くと、案の定刃は引っ込んだのだ。
「「「そんなぁ……」」」
 渾身の連携弾幕攻撃を防がれて、玉兎達は項垂れた。
 そんな彼女達の様子を刀を手にしながら依姫は見ていた。
「恥じる事はありませんよ、貴方達はよくやりました」
 そして微笑んでみせた。
「依姫様……」
 金髪の玉兎は呟いた。
「そんな貴方達へ、この弾幕を捧げましょう」
 依姫はそう言うと刀を天高く掲げた。そして宣言する。
「『天津甕星』よ、数多なる星の瞬きを見せたまえ!」
 そう依姫が言い終わると、掲げた刀が燦然と輝き始めた。
 そして、そこからロケット花火の如く大量の火花が放出され、宙高く溢れていったのだ。
 それ
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