第一章 幽々子オブイエスタデイ
第9話 一区切りの終焉
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兎達が稽古に励んでいた──のだが、掛け声は気が抜けそうで動きはへろへろで、明らかに真面目にやってはいなかった。
依姫が問題を解決してしまった後では見が入らないのだろう。『勝って兜の緒をしめよ』という辞書は彼女達にはないようだ。
そんな調子なので、当然のようにおしゃべりも起こる。
「依姫様は地上の巫女を連れて何をしているの?」
玉兎の一羽が言う。
「ああ、なんでも依姫様の潔白を証明するために使うんだってさ」
立ち会っていたもう片方の玉兎が答える。
「潔白?」
最初に話しかけた玉兎が首を傾げた。
「ほら、謀反の噂が立ったことがあったでしょう?
あれって何者かが勝手に神様を呼び出して使役していることが発覚したからよ」
「ふむふむ」
「それで依姫様が真っ先に疑われたの。
そんなことできるのも依姫様くらいだったしね。
でも本当はあの巫女にもできるって見せて廻るんだって」
と、玉兎達はお喋りに興じていた。そこへ……。
「その話、詳しく聞きたいわ」
突然の聞き覚えのない声に玉兎達は振り返った。
「誰?」
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