第一章 幽々子オブイエスタデイ
第8話 『魔王』光臨:後編
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夜の侵食を食い止める舞を見せよ」
その言葉と共に、依姫が演習の時に降ろした天宇受売命が再び光臨したのだ。
そして天宇受売命を自分の肉体に降ろした依姫は、まばゆい輝きのヴェールに包まれていた。
「なんだ? ただ光っているだけかい?」
レミリアは拍子抜けだと言わんばかりにぼやいた。そして大量の弾を雨あられとばら蒔いたのだ。正に『弾幕』である。
それを依姫はポルカのように軽快なリズムで踊るように第一弾、第二弾とことごとく華麗に交わした。
だが、レミリアの弾幕はこれでは終わらなかった。
「お次はこれさ! 【獄符「千本の針の山」】!」
レミリア第二のスペルカード宣言であった。彼女の両手から先程までの弾から、今度は無数の針が打ち出され始めた。
さながらロケットランチャーのようである。しかも今度は細かい針の形の弾幕だ。先程よりも回避は難しいだろう。
そして針の空軍舞台が標的を撃ち落とそうと肉薄してきた。
だが依姫はそれらも紙一重でかわしたのだ。針がザクザクと地面を削ったが、彼女には掠りもしなかった。
しかし今回の弾幕はクイーン・オブ・ミッドナイトとは違いレミリアの手から直接マシンガンのように放出されているのだ。つまりレミリアが手の向ける方向を変えれば針もそれに合わせられるという事である。
「この針から逃げられるかい?」
針の機関銃の照準を再び依姫に向けたレミリアは得意気に言った。
「舞の達人の天宇受売命を甘くみない事ね」
だが神の力を借りた依姫の方も余裕であった。そして再び針撃をかわす。
その様は、レーダーに移らないステルス機を狙うかのような暖簾に腕押しの状態である。
しかし、レミリアとて諦めはしなかった。三度照準を依姫に合わせたのだ。
するとどうだろうか。今度は彼女はかわす様子を見せなかったのだ。
(もらった!)
心の中で歓喜するレミリア。今度こそ敵を撃墜出来ると思ったのだ。
ぐいぐいと差し迫る針の群れ。しかし依姫は慌てる事はなかった。
針が目の前まで来た所で、彼女は刀を回転させたのだ。
そして針はパキンパキンと音を立てて、ことごとく弾かれたのだ。さながらステルス機が今度はプロペラ機に様変わりしたかのようであった。
「ちっ!」
標的を仕留められると踏んでいたレミリアは口惜しそうに舌打ちをした。だが彼女とて、まだ攻撃は終わらせる気はなかったのだ。
「今度はこれさ! 【紅蝙蝠「ヴァンピリッシュナイト」】!」
三度目のスペルカード宣言だ。その宣言を受けてレミリアの周りに紅い霧が発生したのだ。
槍を作る際に発生したものと同じ霧。今度はそれが彼女を取り囲むようにして現れていた。
そして、それは段々と形を成していった。今度は槍型ではない。
こうもりだ。スペルカード名が示すよ
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