第一章 幽々子オブイエスタデイ
第6話 努力のあり方
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沙は臆する事なく言った。
「これなら斬りようがあるまい」
まずレーザーを一束繰り出したが、先程のファイナルスパークよりも小規模である。
だが、彼女の攻撃は今回はこれで終わりではなかったのだ。
箒にまたがり飛んで移動する魔理沙。すると移動した先でもまたしても砲撃をぶっ放したのである。
「【恋心『ダブルスパーク』】!」
魔理沙は高らかにスペルカード宣言を決めた。そしてこの二重の猛撃を依姫は眼前にしていた。
──貴方のその努力からくる勝利への執念、見事です、そう思いながら。
だが、勝負は非情なもの。依姫とてそう簡単に攻撃を通してあげようとは考えなかったのだ。
──相手は弾丸ではなく、直進する光。この事を受けて依姫が次にすべき行為は何かは、鍵穴に鍵がぴったりと収まるように明瞭に出てきた。
「『石凝姥命』よ、三種の神器の一つ、やたの鏡の霊威を今再び見せよ!」
依姫は神降ろしの宣言をした。すると、天女のようでいて、艶やかな黒の長髪の女性の姿が顕現したのだ。両手には鏡を抱えている──これがやたの鏡であろう。
すると女性──石凝姥命は鏡をくるっと向きを変えて眼前に向けた。
そして二対のレーザーの片方は依姫の刀に切り払われ、残りはもう片方となる。
それを目の前にした石凝姥命は目をカッと見開き、やたの鏡をそれに対して差し向けたのだ。
鏡には中の世界などなく、純粋に光を反射するもの。しかし、この高出力の光の前では普通の鏡ではいとも簡単に消滅してしまうだろう。
だがこれは神が作った鏡なのであった。ダブルスパークの片方を何ともなしに反射し、弾き返してしまったのだ。
「いっ」
これには魔理沙も驚愕するしかなかった。
「うわっ」
弾かれた光線は空を飛ぶ魔理沙をスレスレで横切っていき、地球まで到達してしまったのだ。
月ロケットで魔理沙が来た際には『地上から目に見える月』を目指して旅をしてきた訳であり、実際に宇宙空間は通ってはいなかった。
それと同じで今回も光線が到達したのは『目に見える地球』なのであるが、それでも離れた惑星にまで届くというのが彼女の大技の規模の大きさを物語っているといえよう。
「あちゃー、今ごろ地上は大騒ぎだな」
自分の放った技の行き先を見ながら、魔理沙は放心気味であった。
「月からのレーザーくらいなんとも思わないでしょう。表の月には人間が置いていった大きな鏡があります。月との距離を測るために地上からレーザーを飛ばしていますからね」
そう依姫は丁寧に魔理沙に説明していった。決して地上では大量虐殺のような大惨事などは起こっていないから安心しなさいと。しかし、彼女は続けた。
「心ない兎たちが、よく位置をずらしたりしてあそんでいるようですが……」
そう言われて玉兎達はギクッとした後、そ
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