第一章 幽々子オブイエスタデイ
第6話 努力のあり方
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いると言えるだろう。互いに本音をぶつけ合う事で一種の絆が生まれている、そんな仲なのである。
またしても依姫は自分の想像していた侵略者とは印象が違うと思い知らされたのだ。残忍な者ならこういった温かい仲間意識など生まれはしないだろう。
そして当の侵略者は言葉を発した。
「何、ちんたら戦ってるのよ! どうせ負けるんならやりたいことやってから負けなさい!」
この言葉に依姫は驚かされた。
何故なら依姫は天津甕星を、主に本調子でない魔理沙に喝を入れるために降ろしたのだから。
「ま、言われなくても──本気を出すぜ」
調子を取り戻した魔理沙。……どうやらそうさせる役目をレミリアに一本取られてしまったようだ。
だが、道筋はどうあれ依姫の望む通りの流れになってくれたようだ。
『過程などどうでも良い』という旨の発言を登場人物にさせた漫画があったが、実際は過程というのは大事な事柄である。だがこの場合は魔理沙への起爆剤が神ではなく吸血鬼になったという違いであり、魔理沙にプラスになった事に変わりはなく、言うなれば結果オーライなのだ。だから今回は天津甕星もお許しになる事だろう。
そして魔理沙はそのいかにも魔女な帽子を脱いでみせ、その中に隠してある物を取り出したのだ。
──ミニ八卦炉。魔理沙愛用の、魔力を込めると火力を発揮するマジックアイテムだ。
「この世に、光の速さより速い物は存在しない」
彼女が言っている間にも、前に構えたミニ八卦炉にエネルギーが集束していく。
「どのような加速度を持とうと、究極的には直線になるんだよ!」
キュウウウと音を立てて、エネルギーの集束は頂点に達していた。
「出でよ【魔砲「ファイナルスパーク」】!」
そして遂にそれは放たれたのだ。まるでSFものの宇宙戦艦から繰り出されるような、極大のレーザー砲が魔理沙から発射されたのだった。
その異常なエネルギーの奔流は辺りにも影響を与えた。森からは鳥がバサバサと慌てて飛び立ち、観戦していた玉兎や妖精メイドは激しい風圧に翻弄されていた。
破壊の権化は依姫めがけひたすら真っ直ぐ進んでいった。まるで使い手の信条を代弁するかのように。そして激しい爆音と閃光をまき散らして炸裂したのだった。だが。
「ふん。これだけじゃ勝てないと思ったがな」
そういう魔理沙の眼前で煙が上がってくると、人影が見えた。そう、依姫のものであった。
そして彼女は刀を真っ直ぐに構えて、傷一つ負ってはいなかったのである。
「光を斬るのは、水を斬るよりもずっと容易いこと」
得意気に依姫はのたまう。──まだこの程度の攻撃では受けてあげる訳にはいけないと思っていた。
力を出し切ってはいない。これで終わらせては心残りが出来てしまうだろう。
「でもな、私の光は一つとは限らないぜ!」
魔理
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