第一章 幽々子オブイエスタデイ
第4話 提案
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そう魔理沙は言い切った。依姫は当然初めて知る事になる訳だが、魔理沙達の住む『幻想郷』では日常茶飯事に行われている戦い方だったのである。
◇ ◇ ◇
豊かの海に響くさざ波の音が心地よい。
「たあっ」
「……っ!!」
その中で玉兎を妖精メイドが『戦って』いた。玉兎が銃剣の突きを繰り出し、メイドがそれを危なげにかわす。
何とかかわし続けるメイドであったが、よけるのに意識を取られすぎてその足をよろめかせてしまったのだ。
それを玉兎は見逃さなかった。そのまま勢いに乗り、銃剣を下から上に振り上げたのだ。
すると弾丸型のエネルギーが無数にそこから発射され、それをメイドは見事に被弾してしまった。
吹き飛ばされるメイド。これで──玉兎は妖精メイド三人に勝ち抜いたのであった。
「ま、こんな感じで基本一騎打ちで戦うんだ」
今行われた戦いの趣旨を説明する魔理沙。
(まさか3匹みんな負けるとは思わなかったが)
等と、心の中で呟きながらも。
「その際自分の大技をすべて見せて相手にかわされるか潰されたら負け。
技と体力が残っている側はさらに続けても構わない。
でも、勝負がついたらおとなしく引き下がる」
「……。普通の決闘と何が違うの?」
そこまで聞いていた依姫は疑問を口にした。
「美しいほうが勝ちなんだ。つまり精神的な勝負ってことだ」
「へえ、それはわかりやすいわね」
依姫が感心している中で、魔理沙はチラっとレミリア、咲夜、そしてボロボロになった妖精メイドの方に視線を送っていた。メイド達はものの見事に主であるレミリアに怒られている。
「で、うちらが全敗したら……、おとなしく地上に帰るから」
「ふーん、それで無駄な血が流れないのであるならいいかもしれない」
無駄な殺生を好まない武人的である依姫らしい答えだった。その中には死のエネルギーから生まれ、月の民にとって害である『穢れ』を発生させるのを避けるのにうってつけであるからという意味合いもあったのであるが。
だが、それだけではなかった。依姫は月の都の事を脳裏に思い浮かべていた。
それが意味するのは、月の民の一般人の身を案じているという事であった。兵士は基本的に直接戦っている自分達の事に意識がいきがちであり、平和に暮らしたい民の事をないがしろにしがちなのである。
しかし、依姫は違ったのだ。自分が護る民の事を抜かりなく想っているのだった。
「もし私が敗れるようなことがあっても、月の都には入れさせないけど……」
依姫はそう魔理沙に言った。神の力を借りる自分はそう易々とは負けないという自信の現れからでもあったが、別に魔理沙に意地悪をするつもりではないのだ。まず侵略などさせないという事が先行しているのだが、それを除外しても地上の住人を月の住人に近づ
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