第二百六話 冬の進軍その三
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「散々にやられて」
「ああなったな」
「そして何とってもや」
「寒さだな」
「戦う場所の地理は把握しておく」
「戦の第一歩だな」
「それを怠るとな」
その時はというのだ。
「まさにや」
「ナポレオンの二の舞だな」
「そういうことや」
「それで冬の備えもしていっているな」
今現在そうしているというのだ。
「実際にな」
「お金はかなりかかってるけれど」
それでもとだ、清音も言ってきた。
「それでも損害が少なくて済むなら」
「それでいいな」
久志も続いた。
「やっぱり」
「ええ、例え勝ってもね」
「損害が多いとな」
「後々響くわよ」
「戦はやるならな」
「最低限の犠牲で」
即ち損害でというのだ。
「最大の利益を得る」
「やっぱりそうだよな」
「それを目指してね」
「実現すべきでな」
「今回の戦もね」
まさにというのだ。
「その為によ」
「金はかかってもな」
「防寒もしておくことよ」
「やっぱりそうだな」
「そうしてこそね」
「戦は勝てるな」
「そうよ、それとね」
清音はさらに話した。
「騎士団領は教会の影響も強いことはね」
「前にも話したな」
「それを活かしていきましょう」
「教会はこっちについてるしな」
「教会を通じて民に語り掛けて」
「帝国になびかせていくか」
「そうしましょう、ただ聖職者の横暴はね」
これはというと。
「若しあったとしたら」
「取り締まらないとな」
「民を害させてはならないわ」
これは絶対だというのだ。
「何があってもね」
「俺達の世界の教会みたいにな」
「中世もね」
「あれはな」
久志はその中世の教会についても述べた。
「流石にな」
「あんまりだったわね」
「あんまりっていうかな」
顔を顰めさせて述べた。
「もうな」
「論外だったわね」
「それこそ中世の教会なんて人類への挑戦だったな」
久志はこうまで言った。
「人間は何処まで腐敗して邪悪になれるか」
「その域まで至っていたわね」
「ああ、比叡山も色々言われたけどな」
日本のこの寺もというのだ、即ち延暦寺のことだ。
「けれどな」
「到底よ」
「及ばないな」
「もうあれはね」
「比叡山の坊さんが腰抜かしてたな」
当の彼等がというのだ。
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